「隙 間」

2006年03月17日(金) 坂の向こうに

そめいよしのの並木道……。
日が暮れて間もない谷中墓地を通り抜ける。
著名人達の墓石に供えられた花が風に千切れ、舞う。
駐在所の灯りがその光景をほんのり照らす。
犬の散歩やジョギングを楽しむ人と擦れ違い、
やがて並木を抜け、さんさき坂を下ってゆく。
乱歩の曲がり角で足を止め、ふと振り返る……。
下ってきた坂の頂上の、その先には、
鮮やかにほんのりと温かく輝く月の姿。
月から下ってくる坂道のよう。
居待月……。
しばし見上げ、ふと考える。
何を、待つのだろう……。
月明かりに温められた想いがジワジワと湧き上がってくる。
これを、待っていたんだ、きっと……。


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