| 2008年02月23日(土) |
「ホテル・アイリス」と「なぎさの媚薬1」 |
盲点になりがちだった三省堂文庫フロアの幻冬舎の棚の前で、ふと視線が合った作品。
小川洋子著「ホテル・アイリス」
母親と娘とバイトのおばさんで切り盛りしている小さなホテル。 ある晩に宿泊客として出会った初老の翻訳家と娘の間に結ばれていった、いびつな愛。そして、
絆。
小川作品の、常に「乾い」ているけれど「柔らか」い距離感の世界で描かれていて、どんなことであろうとそれは儀式のように、厳かにすら感じさせられる。
さあさあ続いて。
重松清著「なぎさの媚薬1 海の見えるホテル」
ジャンル的に躊躇いを感じるやもしれないけれど……やはり重松節にやられました。
平たくいってしまうと同著「流星ワゴン」官能版です。 銀色のワゴンが、なぎさという名前の都市伝説的な存在の娼婦になっているようなもの……?
ただひとつ違うのは、
ワゴンでは過去の過ちを正そうとしても正すことができず、過去のすべてを受け止め、これからの未来に、明日に、今日に、足を進めてゆく。
なぎさでは、おそらく、正したのちの今を生きる。
「おそらく」というのは、過去の知らないことがなぎさによってのみ、夢として伝えられるからだ。
男とは、自己満足で解消できるのであれば、すべてそれでかまわない、といった要素をもつ生き物なのかもしれない。
己がそれを悲劇だと思い、泣き悲しみ苦しみ、酔う。 ふとしたことで己のなかでそれが変わることがあると、ころっと納得し満足感で充たされそれでよし、としてしまう。
ふう……汗
「ホテル〜」を三日くらいで読み終えて、ふう、とひと息入れながら落ちて(汗)、「なぎさ〜」を三時間(!)で読み終えて、都合四時間強、コーヒー一杯で過ごしました……汗
めんどくさい休日の過ごし方(笑)
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