「隙 間」

2008年06月01日(日) わたしの遠野物語〜どんどはれ〜

 目が覚めて、ちゃんと遠野郷に自分が来ているということを確かめました。

 何やら夢を見ていた感覚が、頭のなかに残ってました。それでも疲労感も不快感もなく、思わず疑ってしまったということなのですが。

 遠野の不思議な力のおかげなのでしょうか?

 天気もよく、チェックアウトを済ませて、さあゆくぞと。
 今日は駅前周辺の施設を回りながら、語りべさんたちの話も聞いて回ることにしていました。

 その前に、まずは

「とおの昔話村」へ。

 昨夜のホテル内での語りべさんから聞いていた「遠野物語研究所」があり、ちらとのぞいてみることにしました。

 迎えてくれたのは副所長さん。

「こんな資料もありますよ。あ、ではこちらで、お時間がよろしければお茶でも飲みながら。すぐ淹れますので」

 所内には他の方がいなかったので、それでは、とお言葉に甘えて色々なお話を聞かせていただきました。

 そうそう、こちらの資料にはこんなことが書いてありまして。
 へへえ。そうなんですか。
 こちらのは、もう絶版になってしまっていてコピーしたものしかないですけれど。
 うぐ、手に入らないんですね。
 神田の古本屋街あたりなら見つかるかも知れませんが。
 神田なら毎週末足を運んでます。近所なんです。
 それじゃ、冊子名とか、メモされますか。
 ええ、ええ、ぜひお願いします。

 あれやこれやで、飛び込みだったにも関わらず、さらに脈絡のない質問やらの連続に快く答えていただきました。

 副所長様、本当にありがとうございました。

 ここでぷち情報です。

「座敷わらし」は、ほとんどこの「遠野」でのお話しか伝えられていないということを知ってますか?

 なんとなく東北地方ならどこにでもいるのかしら、と思われているかもしれませんが、九割九分が岩手県において、そのうちのさらにほとんどが「遠野」におけるお話なのです。

 貴重な資料やらの説明の時間を頂戴して満たされた後は、忘れてはいけません。

 今日の初めての食事です。

「田舎定食」なるものをいただきました。
 山女(ヤマメ)のざっこ煮と山菜三種とひっつみ汁のセットです。
 山女はとてもやわらかく、頭から尻尾までまるごと美味しくいただきました。

 わたしは魚も好きです。
 そんな魚より、肉が好きなだけなのです。

 さあ次へ行きましょう。

「昔話語り部館」へ。

 ツアー客を主な相手としているため、さすがに個人的な話を聞くことはできませんでした。
 が、一緒に話を聞いていたツアーの方々は山形からこられており、「オシラ様」の微妙な違いのことを実際に知ることができました。

 さあさあお次は、

「観光案内所」です。

 昨日自転車を借りたところの隣で、「いろり火の会」の語りべさんたちが、いつでも話を聞かせてくれるのです。
 昨日ホテルでお話を聞いた語りべさんもこの会に所属されていて、

「明日なら、お昼過ぎがいいですよ。午前中だとひとりしかいないのが、午後からはふたりになって、それぞれから話が聞けますから」

 と教えていただいていたのです。
 語りべさんふたりと、聞くのはわたしだけ。

 なんて贅沢!

 私、上野の不忍池とか行ったことあるんですよ。
 わたしは毎日そこを歩いて帰ってます。
 そうなんですか。いいところですよね、東京なのに騒がしくなくて。
 動物園から鳴き声なんか聞こえたりして、なかなかいい町ですよ。

 もうひと方は、

 板橋のほうに行ってきたんですよ。語りではなくて、ひっつみや蕎麦やらの体験講習に招かれて。
 板橋ですか。練馬や川越のほうではなくて。
 蕎麦のつけ合わせに、練馬大根やらの葉っぱをおひたしにしましたよ。
 へへえ、そうなんですか。

 そんなこんなの雑談を交え、おふたかたから、またもやなにものにもかえられない、とても重要な話と閃きを、いただくことができました。

 遠野に来て、本当に、よかった。

 といえる、このためだけにここに来たのだ、とまで思えるものです。

 胸がいっぱいになったら、さあ腹をいっぱいにしよう、ということでジンギスカンをふたたび頂戴いたしました。
 昨夜とは別の、こちらもまた有名店です。

 美味かった……。

 外はもう雨が降っていました。
 別れを惜しんでくれてるのかしらん、とまたもや自分勝手な感慨にふけってしまいました。

 さあ、あとはもうバスで帰るだけです。

 駅の待合室で発車時刻まで過ごし、明日の朝には東京です。
 遠野から上野へ……。

 この旅で、たくさんの方々にご協力をいただきました。

 衝動に駆られて飛び出したことは間違っていなかった、と実感しております。

 こうしてわたしの遠野物語はいったんの幕を下ろしますが、その先にまた新しい物語が待っております……。

 とまあ、こんなお話があったずもな。
 こうして新しい物語を紡いでゆくことになったとさ。
 どんどはれ。


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