「隙 間」

2008年06月19日(木) 「シュガータイム」と揺らぐ

 小川洋子著「シュガータイム」

 読みながら常につきまとっていた違和感があった。
 読み終わり、初版年月日や解説等を読み、その正体がようやくわかった。

 小川洋子が小川洋子たるものになろうとしている過程の、初期の頃の作品だったから、わたしはそのように感じたのだと思う。

 冷たくも温かくもあるサラサラした白砂のような世界。
 指のあいだを滑り落ちてゆくような心地良い感触とともに、手のひらに残されるザラザラとした感触を併せ持つ世界。
 押しつけるでもなく、突き放すでもなく、寄り添うようにそこに佇む世界。

 否応なく取り巻き引き込みぐるぐると目を回させるでもなく、フッと胸の真ん中のとこを掴んで握り締めて揺さぶるでもない。

 いずれにせよ、それらはひとつの道筋の延長線上にあり、揺らぐことなくさらにその先へと続いている。

 揺らいでばっかりやないのん。
 揺らげるうちに、目ぇいっぱい、揺らいでやる。


 < 過去  INDEX  未来 >


竹 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加