「隙 間」

2008年08月15日(金) 「象の背中」と宣告としたい事

 秋元康著「象の背中」

 肺ガンで余命半年と宣告されたバリバリのサラリーマンが、自分の人生の終わりをどう受け止め……受け入れようとするか。

 妻、息子、娘、そして、恋人。
 彼らに何をしてあげてこれたのか。

 いや。

 何をしてあげてきた「つもり」になっていて、残された限られた時間のなかで、本当に「伝えて」おきたいことは何なのか。

 非の打ちどころがない家庭を持ちつつ、彼は恋人、つまりは愛人を持ち、その彼女との付き合いも長く続いていた。

 不倫

 浮気

 女性に非難されるかもしれないが、わからなくはない、気がするところがある。

 夫として、父として、そうであらねばならない。

 と男はどこか格好をつけたがるところがある。
 自分で格好をつけているくせに、それを窮屈に思ってしまうことも。

 格好をつけなくてもいい相手、時間が欲しい。

 もしくは、その逆。

 そしてまた、これは男女を逆にしても言い得ることかもしれない。

 だから、と、それを容認するわけではない。

 いや。

 愛や恋を、わたしが理解していないだけなのかもしれない。

 ひとりの人生の終わりが見えて……見せられてしまったとき、それが自分のであろうが大切なひとのであろうが、何ができ、何をすべきなのだろうか。

 この作品の主人公は、妻に愛人のことを告白し、また会わせてしまう。

 かっこ悪い俺、なんだ。

 と。
 大学生の息子に白状するところまでは、許せた。

 俺の葬式に彼女が来られるようにしてやりたい。

 彼女の人生の何年間をついやさせてしまったその決別を、彼女自身にはっきりとつけるための何かを残させてやりたい。

 わからなくもないが、勝手、だ。
 自己満足、だ。

 浮気、不倫をする男女は、つまるところが自己満足を素直な形で消化できないだけなのではないだろうか。

 ……そんなことをできる立場になったことがないので、あくまでも当て推量だが。

 もとい。

 この作品は、なかなかお勧めの作品です。

 余命半年。
 何をする?

 そもそも、

 宣告されたい?
 されたくない?

 わたしは宣告されたいし、されたからといって特別なことをしようとはしないと思う。

 いつまでにこれを書き上げなくてはいけないのか、ただそれだけは知りたい……。


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