「隙 間」

2008年10月04日(土) 「箪笥のなか」に秋茄子を詰める

 長野まゆみ著「箪笥のなか」

 紅い古箪笥(タンス)を譲り受けたところ、その箪笥は異界とつながっていた……といっても、ふつうのひとには見えないもの、アヤシい存在のものたちのこと。

 タンスが日本酒を欲しがって引き出しが開かなくなったり、引き出しのなかに稲田が広がっていたり、祖母の代の失せ物がヒョッコリ出てきたり……。

 たんたんと、あっさりと、それらの日常が描かれてます。

 ……惜しい。
「過ぎて」しまってなのか、印象が弱い……汗

 タンスを男に喩えて「嫁がこない」とあるけれど……そもそも「タンス」って、「女性名詞」ではなかったかしらん?

 さいごのほうで、

「嫁じゃなくて婿を求めてたんだ」

 と、別の理由でようやく気がつくのだけれど、なんだか……汗

「これは、そういうことです」

 と決めつけられていれば、まだよい気もするけれど、

 いや、ふつうはそうじゃないから。

 という違和感を覚えさせられることは、できれば避けたい。

 たとえば、「魔女っ子・太郎」という少年の物語などというものを、素直に読みたくはないだろう……笑

 だって「魔女」なのに男の子?

 その理由がちゃんとあるなら、よいけれど。

 さて。

 わたしの箪笥の引き出しは、胃袋に今のところ直通しているようです。

 ナスが、食いたい……山ほど。

 ということで(笑)
 神保町は「徳萬殿」にて、放り込んできました。

 ナス肉炒め定食。

 肉なんて、豚バラがおすそ分け程度、

 直径約十五センチ
 高さ約八センチ

 まるでそれは、アボリジニが聖地と崇めるエアーズロックのようなものの、そのすべてが、ナスとピーマンの細切りで構成されています。
 その隣のお椀(高校球児仕様)には、

 高さ約十五センチ

 まるで、ヒマラヤ山脈のように、そして氷河に固められたように、白ご飯が鎮座まします。

 本を片手に、ひょいパクひょいパク、と、それらの標高をむしりとってゆきます……。

 見慣れないひとは、確実に、この光景に、

 ヒキます。

 隣のテーブルの若者が、

 大盛り

 を頼んでました。
 久しぶりに「徳萬殿」の大盛りをみました……。

 わたしの「普通盛り」の白ご飯を、さらにもうひと山を積み重ねたその白い姿は、

 エベレストか、
 エンジェルフォールか、

 まさに神々しさを形にしたようなものです。

 なぜそうまでして山に挑むのかって?
 そこに山があるからさ……。

 ナスは美味かった。
 秋ナスは嫁に食わせちゃいけないので、自分だけ、です。

 てか、嫁なんていないし。
 この山盛りを見たら、食べる気なんて失せること確実だろうし。
 成人男性だとしても……汗


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