「隙 間」

2011年07月10日(日) 「ソウル・キッチン」

暗闇に青く切り取られた水槽に
ゆらゆら揺らめく姿に映すのは
静寂の神秘さか孤高の寂寥か。

関東地方も梅雨が明けたようです。しかし梅雨らしい日々がこちらは少なかった気がします。
ニュース速報などで西日本や北日本などでは大雨警報が出されていたりして、まんべんなく雨は降ってくれればと思ったりもしたのですが。

午前中はまた久し振りにグラリと地震で揺れたりして、案の定東北地方では津波が計測されていたり、すっかり油断している日々に気が付きました。
油断大敵です。

横積みにしてある文庫の山を、本棚に押し込みました。

「ソウル・キッチン」

をギンレイにて。

ウマイ料理と、
イカした音楽、
アツい男と女がいれば、それだけでいい。

ドイツ・ハンブルグの倉庫街にある多種多様な人種に応える大衆食堂「ソウル・キッチン」オーナーのジノス。
恋人が上海へ転勤、ぎっくり腰でまともに動けなくなり、保健所からはキッチンのオール・ステンレス化を求められ、ついてない事が続いている。

仮出所で出てきた兄、酒好きの変わり者だが一流のシェフ、ウェイトレスのルチア、付属のボート小屋に住み着いているソクラテス爺さん。

ジノスが昔の同級生と偶然再会し彼が「ソウル・キッチン」の土地に目を付け、あの手この手で買収しようとしてくる。

俺たちの「ソウル・キッチン」を奪い返せ!

この作品。
本っ当に、観たかった作品でした。

それが我がギンレイ・ホールでかかるなんて!
やっぱりギンレイは、最高に相性がよい名画座です!

そして、観たい、と思った作品が間違いなく最高だった感触を味わえたことに、感動でした。

数行だけの作品紹介と試写会のレビュー、予告編というどれを信じるか自分次第の、もちろん当たり外れはあるけれど信じた自分に後悔を覚えないこと。これがプラスアルファの満足感を得られた時は、最高に気分がよくなるものです。

ギンレイ・ホールは、わたしのソウル・シアターです。

煙草と文庫と珈琲と、
イカした映画があれば、
幸せに生きてゆけます。

ギンレイ上の空きテナントに引っ越したくなりますが、そんな「探偵物語」の松田優作さんのように男前にはなれません。あくまでも想うだけ、にしておきます。

皆さんにとっての「ソウル・フード」はいったい何でしょうか?

どんぶりいっぱいの肉そぼろ丼、マギーの効いた手作り餃子、実家の味ですが、それ以外では。
「まんてん」のカレーライス、「徳萬殿」のナス肉炒めかレバニラ、「かつ仙」のカツ丼、「鳥つね自然洞」の親子丼。
わたしの魂を力付けまた救ってくれている愛しの面々です。

「焼き肉」は外してあります。
別枠扱いで申し訳ありません。

限られた時間をせめて後悔だけはしない覚悟を。
明日も、来年も、数十年後も、
持ち続けていられますように。


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