「隙 間」

2011年07月16日(土) 肉一夜

日曜日に友人とのやっとの再会を果たしました。

待ちに待った焼肉の夜です。
汚染わらの問題で世間が過敏になっているその真っ只中だというのに、と眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、ある研究者によると食事による摂取は代謝で体外に排出されるらしく、体内残留の心配はほとんどないらしいとのことです。
信じる信じないは個人の信じる目で判断して決めましょう。

まずは昼に合流し、新丸ビルにある鞄屋に行きたいという友と一緒に久し振りに椿屋珈琲店以外の目的でビルを上がりました。椿屋さんは丸ビルだったかもしれません。

それから昼食に銀座老舗カレー店「ナイルレストラン」でムルギーランチをいただきました。かつてテレビ出演などもされた名物オーナーは今も元気快活のご様子でした。

それから三省堂有楽町店で互いに本を物色しひとしきり目的の本を手に入れると、肉屋を決めるのと小休止の為に「十一房珈琲店」へ。
ここは珈琲が美味しいのはもちろんですが、とても居心地がよいお店なのです。

なんだかんだと四方山話をしてすっかり長居してしまいました。
そのおかげで頃合いもよい時刻となり、さあ「楽しいお肉の時間」です。

お店にかけた電話で、

「ナマモノは出せませんよ。刺身は出ないですからね。それでもいいですか?」

ことさら執拗に念を押されましたが、致死量の毒が混入されているわけではありません。
食べられないものを食べろと言われているわけでもありません。

なのになぜ、食べないでいられるのでしょうか?

わたしは食べる為に、食べたくて、食べるのです。

存分に、焼きました、漬けました、食べました。

おかげでわたしの話ばかりで、友はちゃっちゃと肉を裏返したりはじに寄せたり皿にわけたりしながらも、うんうんそれはこうだろうあれだよそうははあそういうことか、とやってくれているうちに締めの冷麺まで行き着いてしまっていました。

満足感に満ち溢れ、とろとろと歩いて我が家へ向かいます。

部屋に着いたら第二部の幕開けです。それは友もまさかと思っていたはずの幕開けだったと思います。

わたしはその、敢えてまさかの幕紐を引っ張りあげる気満々でいました。

なでしこジャパンの試合前にこれはまさに相応しいと勝手に決めつけ、さあ、開幕です。

「昔と立場が逆転するとは」

感慨深く、友は噛み締めながらうなずいていました。
なでしこジャパンの試合がはじまる数時間前に、きちんと就寝いたしました。寄る年波には勝てません。

寝待ち月が、ちょうど窓から見下ろしていました。
なんて素晴らしい一夜なのだろう、と。

まさか翌朝にあんなことになるだろうなどとは、露とも思っていなかったのです。

白い月が、笑っていました。


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