「隙 間」

2011年09月25日(日) 「ダンシング・チャップリン」

「ダンシング・チャップリン」

をギンレイにて。

周防監督が、妻・草刈民代の「美しいバレエ姿」を収めたいとして撮影した作品。

……で、あったと思う。

ローラン・プティによるバレエ舞台の二幕を一幕にまとめたものと、そのドキュメンタリーの二本構成となっている。

バレエなどと言われてもわたしは曽田正人の「昴」を読みかじったくらいで、知識も何もない。

それでも「プティ」くらいは聞いたことがあった。

バレエと映画と、この二つの演出家の違いが、やはりとても深かった。

であるから、作品の感想については、第一部のドキュメンタリーのところは、なかなか面白かった、とだけ言おう。

チャプリン役を演じ続けているルイジ・ボニーノは、少しダスティン・ホフマンに雰囲気が似ているなかなか愛嬌のある超ベテランである。

しかし「プロ」たちの世界。

一を言えば、その十を汲み取り、対話してゆく。

「不安なところがある」と民代が言っただけで、
「どこそこのあの場面のステップだろう?」と、トントンと話が進んでゆく。

会話のレベルをはるかに超えた対話である。

まさにこれには、恐れ入った。

そしてもうひとつ。

この世には「美人」はあまたいる。

しかし、「美しい人」は、それほどいない。

草刈民代は間違いなく「美しい人」である。

「美しい人」は、膨大なエネルギーの塊である。
それは、共に何かをやってのけよう、という何かがないと、おそらく長く傍にいようとするのは難しいのではなかろうか。

そんな思いが、ふと湧き上がってくるのである。

何はともあれ、これでチャプリン週間はとりあえず終わった。

夜中に、インターネットでポチリとDVD-BOX購入ボタンを押さない限りは。

誕生月間とのたもうて、財布と欲のヒモをゆるくしていたがそろそろ絞め直さねばならない。

いや、あと一週間を、最後の攻勢に出るべきか。

所詮、映画と本と取り寄せグルメくらいしか使い途はないのだからたかが知れている。

悩みどころである。


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