「隙 間」

2011年10月11日(火) 「127時間」と残り時間

三連休の中日。
昨日明日は休日出勤せねばならない。
貴重な休日とはいえ、昼に歯医者の予約が入っている。

用事を済ませるだけでも精一杯の日々なんぞ、とっとと過ぎ去って早く普通の日々になってもらいたいところである。

さて歯医者も済ませ、急ぎ足で向かう。

「127時間」

をギンレイにて。

独りでブルージョン・キャニオンへクライミングに向かったアーロン。
アーロンにとってブルージョンは、途中出会った観光客の女性二人を穴場へ案内したりするほど馴染みのあるところだった。

ところが。

肩幅ほどのクレバスを降りている最中に、落石に遇う。
右手をがっちりと挟まれ、身動き出来ない状況に陥ってしまったのである。

行く先は、誰にも行ってこなかった。
ビデオカメラとデジカメと、装備はわずかな水とクライミングロープと中国製の万能ナイフ。

岩をナイフで削ろうとするが、余計にのしかかってくるだけ。

五日間。

それでも、足掻いてみる。

そして、アーロンはついに、決断をするのであった。



なあに、大した作品じゃあないだろう、と高を括っていたのである。

実話に基づいた話とはいえ、娯楽作品の範疇だろう、と。

なにせ、かって気ままな行動が招いた事故の物語である。

しかし観ているうちに、次第にアーロンと感覚を共有してゆくような感覚になってくるのである。

教訓。
どこか独りで出かける(旅する)ときは、行く先と日程を誰かに伝えてゆくこと。



さて。

いっそ誰にも告げず、放浪の旅に出掛けたくなるこの頃。

月曜もつつがなく出勤し、夜分に帰宅すると、明日が日曜な気になってくる。

目覚ましのアラームをセットし忘れないよう入念に確かめる。

とにかく、感覚が覚束なくなってきている。
油断をすると、今日は休みか、今何時か、楽な妄想に流れ落ちそうになる。

わたしの目覚ましは携帯のアラームとバイブレーション(五分おきに五回)を二つと、もうひとつ協力なのがある。

聴覚が弱くなった方用の、セパレート式バイブレーター付き目覚ましである。

バイブレーターを枕の下に挟み、頭ごとブルブル震えるほどの振動で、毅然とわたしを目覚めさせようとしてくれるのである。

最近、それが効かない。

いいや、バイブレータは律儀にスヌーズ機能で十分ごとに振動してくれるのだが、無我のわたしが、巧みに無効化してしまっているようなのである。

なあに、簡単な理屈である。

枕から頭を外してしまえばいい。
普通それでも、布団を伝わる振動と振動音だけで充分に叩き起こされる威力はあるのだが、もはや今のわたしには蚊の鳴く音くらいにしか効かない。

これまでより三十分早く起きなければならなくなっただけでもなかなか調整がムツカシイのに、毎夜日付が変わるギリギリまで働かねばならないなどと不健康極まりない。

ああ。
気が付けば、今週の残された時間は「48時間」になっていた。

たとえ深夜二時帰宅でも。
三時間も寝れなくても。
会社に泊まり込みだけは、
やらいでか。


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