「隙 間」

2012年03月11日(日) 「50/50」

「50/50」

をギンレイにて。

酒も煙草もやらない陽気な青年アダムは、突然、ガンであることを宣告される。

五年生存率は50%。

会社の同僚や家族や恋人はアダムの病気を気遣い、神経質になってゆく。

そんななか、親友であり悪友であるカイルだけは変わらず陽気に、いや、ガンであることを前向きにとらえて接してきてくれた。

「50%! カジノなら大歓迎の数字じゃないか」
「ガンだといえば、女なんか簡単にナンパできるぜ」

カイルの陽気に笑い飛ばそうとする思いやりも、アダムの症状は次第に深刻化してゆく。



観たかった作品をこうして観られるギンレイは、やはり最高である。

カイルの存在が、いい。
アダムにガンだと打ち明けられたその時こそショックを受け、何と答えたらよいかしどろもどろになってしまった。

が、しかし。

その後は絶えず陽気に、アダムを振り回す。

それが、アダムにとってはありがたい。

皆一様に気を遣い、神経質になり、急に接し方を変えられるのは、余計に疲れる。

しかしカイルは、何も考えずに陽気に振り回していたわけではなかったのである。
酔っぱらったカイルを彼の部屋まで送ったとき、テーブルにあった本に、折り目と線が引いてあったのをアダムは見つける。

素敵だね。

そう深く頷いてしまう。

どちらであっても、そうありたいものである。


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