白日の独白
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『休む』というのが怖かった。 自分が世界から取り残されてしまうような気がするから。 それが取り越し苦労だいうことも解っていても、行くしかなかった。
あの時の僕は小学生で、冬休み前に病気で10日程休んだことがあった。 学校に行かない毎日は気楽で、勝手に冬休みに入った事にしていた。 けれどいつまでも家で唯寝ている事を母は許さず、僕は学校へ行かされた。 久し振りの登校。 クラスメイトの反応に戦々恐々としていた僕に対する周囲の反応は、驚く程淡白であった。 僕は居ても居なくても同じということだった。 『他人は自分が考える程、自分の事を考えてはいない』 10日後に得た答えだった。
答えを得た所で即開き直れることはなくて、その後も僕は皆勤賞を取っていた。 最近になって漸く、何も心配せずに時に休めるようになった。 僕が少し自由になれた所もある事に、少しだけ安堵する。
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