白日の独白
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見れなくなった夢の代わりの白日夢。何かを越え、何かをなくした。
自動販売機の横で、乳母車に乗せられた子供が本当にすやすやと眠っていた。 母親はちょっとした用事で子供を置いていったようだ。 通過待ちの電車のドアは開かれていて、多分母親が戻ってくる少し前に閉まると想う。 乳母車をその電車に乗せて、僕は向かいのホームから出発する電車に飛び乗ったらどうだろう。 驚く母親も、不安で泣く子供も、困惑する周囲の様子もわからないけれど、きっと僕のこともわからない。
だけど今はまだ大丈夫。 僕は立ち上がらずに、母親が戻ってくる姿を待っていられる。
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