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11月のぷらむ短歌会が25日にあった。25日は、短歌会の予定が決まったあとに午前中に別の用事が入
 り、朝から出かけた母なのであった。
 
 今回のお題は「耳」。
 久しぶりに投稿した歌をのせてみる。
 題詠で五首。
 
 耳までが赤く凍える通学路目だけを出してマントの君行く(市屋千鶴)
 寝床から耳そばだてて玄関の靴音を待つ母の靴音(市屋千鶴)
 唐突に耳の中からわき上がるように金属音の攻撃(市屋千鶴)
 情報は水のごとくに溢れ出す目から耳から胸の奥から(市屋千鶴)
 着メロが耳に残ってくるくると君の言葉を伝え続ける(市屋千鶴)
 
 作り手が思うところと読み手が感じるところは、違って当たり前
 だと思っているが、いい方向に違っていくことはうれしいものだ。
 四首目がまさにそうで、息子のことを考えながら作った歌だった
 が、試行錯誤していくうちに社会詠のような形に変わっていった
 もので、読み手からは社会詠としての感想をいただいた。
 一番評判が良かったのが五首目だった。
 
 一首目。
 わたしが小学生の頃、フード付きのマントを持っていて、それで
 学校に通っていた。
 フードは吹雪の中では役に立たないので、フードは外してマント
 部分だけをすっぽりとかぶり、目だけを出して歩いたものだった。
 
 二首目。
 父が失踪して、雪の中の大きな百姓家でたった1人で母の帰りを
 待っていた頃の歌。
 
 三首目。
 耳鳴りのことである。
 
 四首目。
 もぐちゃんは、いろんなことが通り抜けていくらしい。
 聞いたことや見たことや。
 中には以外にも覚えていたんだと思うこともあるが、特に説教は
 素通りしてしまうことが多い。
 残らないということを言いたかったのだが、情報過多で溢れ出す
 という感じに変わっていった歌。
 
 五首目。
 なんとなく、「着メロ」「くるくる」が浮んでできた歌。
 
 前回の短歌会での評価が今ひとつで、以前の歌が良かったと言わ
 れたので、仕切り直しての五首だったが、まだまだだった。
 
 次の短歌会は来年一月。
 お題は「春の七草を詠む」ということで。
 めちゃくちゃ、無理な気がしてきた。
 
 
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