先日の日記に書いたように、2月の思い出はかなりつらいものが 多いのだが、雪が降るとなおさら思い出すことが多くなる。
そして、2月と言えばバレンタインデーの思い出もある。 ちょうどわたしが高校生の頃、チョコレートを渡すということが 盛り上がって来た頃だったように思う。 中学3年生で転校してから、高校生の間はずっと同じ男子に片思 いしていたので、バレンタインデーはいつも彼にチョコを渡して いた。 バレンタインデーにチョコを渡すのは、当時は義理チョコも少な くて結構真剣なものと受け取られていたので、わたしが贈ること はまじめに受け止めてもらっていたようだった。 しかし、彼には同じように片思いをしている他校の女子がいて、 それはわたしにも教えてくれていたので、それでもチョコを渡す わたしには戸惑っていたようにも見えた。
若い頃の恋心は、自己中心的である。 自分の気持ちを伝えることが相手に対してどれだけ負担になるこ となのかとか、深く考えてはいなかったようにも思う。 しかし、とまどいつつチョコを受け取ってくれる彼を見ていると、 いやそれは1週間遅れの誕生日祝いだからと、取ってつけたよう な言い訳を言うようになっていた。 転校したとき、彼には学校中で公認の彼女がいた。 高校の受験を前に、受験のためという理由で交際はやめたようだ った。 彼は高校2年頃から、他校の女子校の女の子に片思いしていると、 バレンタインのチョコを渡したわたしに、告白したものだった。
どこからどう見ても、わたしは彼の中学からの友人に過ぎず、そ れはまわりの目も同様だったと思う。 名前で呼び合う中学からの友人。 ただそれだけで、あれこれと心配してくれたりするのは、友情の 故なのであり、友人というより同じ受験を乗り切った戦友みたい なものだったのかもしれない。
今でこそ、義理チョコや友チョコや自分へのご褒美チョコまで、 様々なギフト用チョコが店頭に並ぶご時世になったが、高校生の 頃の自己中心的な真剣さが懐かしいような、恥ずかしいような、 そんなことを思い出させる、50代のバレンタインデーである。
ちなみに、息子は4つの味が楽しめるル○クチョコが好きなので、 バレンタインにどんなチョコがいいかと訊ねると、迷わずいつも のル○クがいいと言った。 まだまだ簡単な10歳である。
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