鶴は千年、生活下手

2014年06月18日(水) 枇杷な日々

アパートの裏庭に、もともと植えられていたその木。
引っ越してきた頃には、枝を剪定されていて、植物の名前などに
全く疎いわたし達夫婦には、その木が何の木なのか不明だったし、
問題でもなかった。
葉っぱが大きくて、枯れ葉がガサガサするねというだけだった。

ところが、引っ越してきてから2度目の初夏を迎えた今年、その
木は実をつけた。
それは、枇杷の木だったのだ。
山形出身のわたしにとって、枇杷というものはまったく身近に無
い代物だったから、枇杷を食べたことすら無い。
ましてや、実がなっているところを間近に見ることなど、ほとん
どなかった。
いや、そういえば、上京した頃に住んでいた町の駅のホームの横
に、枇杷の木があった。
従妹から、それは枇杷だよと教えられ、ふ〜んと言ったきりだ。

あれから、30年以上経って、また枇杷の木に遭遇するなんて。
それも、自分の住んでいる部屋の裏だなんて。

自分で植えたものではなく、大家さんのものなわけで。
たわわに実っていても、食べる習慣を持たないままだったわたし
は食指が動かない。
大家さんがとるのかなあ、大家さんの娘さんである、隣の家の奥
さんがとるのかなあ、などと毎日考えていると、昨日あたりから
なにやらカラスが増えたような気がする。
今朝は、ちゃっかり枇杷の実を咥えて飛んでいく姿を目撃した。

もったいないのか、それとも、木の実は鳥達の為にあるものか。

隣の家の屋根の上と、アパート周りの電線や電柱の上に、カラス
が増えたことには間違いないのだ。


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市屋千鶴 [MAIL]