鶴は千年、生活下手

2015年01月12日(月) 成人の日に

とりあえず、6首、送った。
「雪」というお題は、身近かすぎてかえって詠みにくい。
いくつも雪の歌を作ってきているし、雪の歌は過去を引きずりや
すいからだ。

「成人の日」。
わたしのころ、もう今から35年も前のことだが、雪国というこ
ともあって、成人式は夏に行われた。
わたしは1年浪人して専門学校に入ったので、まだ学生だった。
だから、住所はまだ母のもとに置いたままだったので、故郷での
成人式になったのだった。
夏だったおかげで、振り袖の用意も必要ではなかった。
両親が離婚して母子家庭だったので、学費が精一杯だった。
もう働いていて結婚もしていた姉が、ワンピースを買ってくれた。
そのワンピースで式典に出た。
姉には、就職のときにスーツも買ってもらった。

着物は就職してから自分で買ったので、振り袖ではなく付け下げ
を買った。
記念にスナップ写真を撮ったが、20歳の記念写真はなかった。
姉の場合は、もうすでに社会人で住所も東京にあったので、成人
式は東京で、同じ歳の従姉と二人で振り袖を着ていた。
二人並んで写真をとってもらっていた。
高校生だったわたしは、きれいだなあと思った。
着物への憧れはあったが、振り袖には興味が無かった。

今の成人式で、はじけたいからと派手な衣装を借りる人が多いと
報道されていた。
うらやましいものだと思う気持ちもあるが、成人の日に何を思う
のかが根本的に違うのだなと感じる。
既に働いていた人も多かったわたしの頃は、20歳は本当に大人
になったことの記念であった。
今は20歳といっても働いていない人も多い。

大人としてのけじめはどこにあるのか。
大人って、何なのだろう。


 < 過去  INDEX  未来 >


市屋千鶴 [MAIL]