とりあえず、6首、送った。 「雪」というお題は、身近かすぎてかえって詠みにくい。 いくつも雪の歌を作ってきているし、雪の歌は過去を引きずりや すいからだ。
「成人の日」。 わたしのころ、もう今から35年も前のことだが、雪国というこ ともあって、成人式は夏に行われた。 わたしは1年浪人して専門学校に入ったので、まだ学生だった。 だから、住所はまだ母のもとに置いたままだったので、故郷での 成人式になったのだった。 夏だったおかげで、振り袖の用意も必要ではなかった。 両親が離婚して母子家庭だったので、学費が精一杯だった。 もう働いていて結婚もしていた姉が、ワンピースを買ってくれた。 そのワンピースで式典に出た。 姉には、就職のときにスーツも買ってもらった。
着物は就職してから自分で買ったので、振り袖ではなく付け下げ を買った。 記念にスナップ写真を撮ったが、20歳の記念写真はなかった。 姉の場合は、もうすでに社会人で住所も東京にあったので、成人 式は東京で、同じ歳の従姉と二人で振り袖を着ていた。 二人並んで写真をとってもらっていた。 高校生だったわたしは、きれいだなあと思った。 着物への憧れはあったが、振り袖には興味が無かった。
今の成人式で、はじけたいからと派手な衣装を借りる人が多いと 報道されていた。 うらやましいものだと思う気持ちもあるが、成人の日に何を思う のかが根本的に違うのだなと感じる。 既に働いていた人も多かったわたしの頃は、20歳は本当に大人 になったことの記念であった。 今は20歳といっても働いていない人も多い。
大人としてのけじめはどこにあるのか。 大人って、何なのだろう。
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