鶴は千年、生活下手

2015年01月29日(木) スケート

学校の行事、スケート教室。
4年生と5年生でやるのだが、4年生のときはまったくやろうと
しなかった。
転んだときに他の人のスケート靴の刃でけがをするといけないか
ら、手袋はちゃんとするのだよと教えたら、スケート靴が怖いと
うことになって、だめだった。
「5年生のときは頑張ってみようね。」と、付き添ってくれてい
た支援級の教師に励まされていた。

今年、支援級の担当も変わり、付き添いは担当の教師だった。
やっぱりだめだったようだが、担当の教師は、「スケートは大人
でも怖いこともありますから、無理にやらせてけがしたりするよ
りはいいでしょ。」と、あっさりと言った。
たしかに、スケートができなくても困らない。

5年生になって、というより2学期以降なのだが、息子への向き
合い方が自分自身でも変わってきたように思う。
まず第1には、息子の感覚過敏について理解が進んだことがある。
第2に、臨床心理士との個別療育のなかで、対応方法をじっくり
考えることが多かったことがあげられる。
学校生活の中では、出来ることを常に求められていて、母親でも
これが出来たから今度はこれが出来るようになればなどと考えて
しまう。
しかし、息子にとって、何かが出来るようになるということは、
何かを我慢しているということだったのだ。
それが、感覚過敏でどうしようもないことだったり、性質的に難
しい要求であっても、彼らは我慢してしまうことがある。

普通の子どももそうだが、認められたいという欲求は強い。
自分の中での出来るイメージと、実際の自分との差を認めたくな
いという気持ちもある。
だから、できないということに直面したときに人一倍ダメージを
受けてしまうのだ。
自分はなんてだめなんだ、自分の思うように出来ないなんて。
という具合だ。
だから、必要以上に我慢していることもあるのだが、それは周り
からは案外と分からなくて、何か問題行動に出て初めてそんなに
我慢していたのかと気づかされる。

臨床心理士と相談して、学校の担当とも相談して、交流の時間を
減らしたり、1、2年生との接触を減らしたりという工夫をする
ことで、ストレスが減り、問題行動が改善されたりする。
穏やかに暮らしていれば、毎日がんばって勉強もできる。

大人になるには、あれもこれもできるようにならなくてはと、母
はついつい思ってしまう。
が、できないことの辛さを一番感じているのは本人なのだ。


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市屋千鶴 [MAIL]