カタルシス
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2002年12月25日(水) |
マロンチック☆ナイト |
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早めに帰れたので新宿で寄り道。 高島屋の地下にあるケーニヒスクローネという和風ドイツ菓子?の店で和栗のパイを買って帰った。
ここの店は何年か前に友人のすすめで買い物をしたのがきっかけで、時折思い出したように立ち寄る店になっていた。基本的にはそう安いものではなかったが、ものによってはお買い得な商品もあって 今回買ったパイなんかはその部類に入る品だ。
和栗の他に洋栗もあり、林檎、小倉、洋梨、カスタード等のパイの“定番”も並んでいたが「和栗」というキーワードに惹かれたので購入。 ちなみにハーフカットが500円、1ホールが1000円と この店の中ではかなりのお手頃価格。
本家に「ケーキを買った」と連絡を入れて、新宿の帰り道で合流した妹と2人パイを手土産に訪問する。 着く頃を見計らって紅茶の用意がされていたので、そのまま夜のティータイムとなった。
ザクリ
と包丁を入れて割るパイの中から渋皮煮になった栗が
ごろん
といくつも入っていた。見た瞬間に我々はそろって大仰天。 「渋皮煮?!」 「でっかい栗だな〜ぁ」 「随分たくさん入ってるねぇ」
実際に食べてみて再び驚愕。 「美味しいじゃん!」 「あんま甘くないね」 「お父さんにも食べれるよ」
普段だったら、ここがイマイチだとか これなら母にも作れるだとか、大抵既製菓子に関する批評は手厳しい一家なのだが、今回の買い物には皆口を揃えて 「これで1000円なら買った方が得!」 との意見で一致をみせた。
渋皮煮なる栗の加工法とは、外側の硬い殻のみを削って内側の渋皮は残し砂糖や蜂蜜でじっくりコトコト煮詰めて仕上げるものである。
我が家の母も栗の時期に大振りのものが手に入ると この渋皮煮を作ることがあるが、外殻は完全に除かなければならないのに 勢い余って渋皮まで剥いでしまうと、それはもうちゃんとした渋皮煮にはならない。 更にそれを長時間かけてトロ火で煮詰めていかねばならず、加減を間違うと焦げついたり飴化したりする。
これらの難関を乗り越え首尾良く仕上がれば、上品な甘さの中に栗の風味が活きた絶品の菓子となる訳だが、栗そのものの味にも左右されるので 本当に納得いくデキになるのは非常に珍しいケースなのだ。 要するに
とてつもなく面倒くさい 行程を踏んで初めて出来上がる芸術品なのである。(大袈裟)
パイの中から栗を掘り返してマジマジと見つめている母に 「でも栗だけ食べたら やっぱりおかんが作る方が美味しい」と言ってみたら 「そりゃ我が家好みの味に作ってますからね〜 でも1000円でこれだけのモノが買えるんなら苦労して作るの馬鹿らしくなっちゃうわね〜」とニヤニヤする。
しまった!我が家の渋皮煮 存続の危機か?!(汗)
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