カタルシス
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2003年11月04日(火)  阿Q正伝 

昼休みのこと
連休の間何をしていたのかを聞かれた 過ごしたままを答えて相手にも聞き返したら カレンダーよりも多く休みを取って前半は萩・津和野へ行き 後半は日光へ行ってきたのだという しかも日光へは一番天気の良かった2日の昼に車で向かったと言うので 思わず「…混みませんでしたか?」と訪ねたら 渋柿でも食べたような顔で「ひどかったの」との返事

詳しく聞けば 通常30分かかるか かからぬかの「いろは坂」の通過に4時間を要したらしい あの坂では嫌気が差しても抜け出し様がないし すこぶる快晴だったのも身動きが取れないのでは かえって仇となる ホテルに着いた頃には すっかり疲れきってしまったと
想像するのも容易い話だった

それならば話題の中心を萩・津和野に持っていこうと思ったら これがまた移動が不便で難儀したとかしないとか 特に津和野は「何が良いのかイマイチ解らなくて…」と宣われた 50代後半の主婦にこうもすげ無く言われては城下町の風情も立つ瀬がない フォローのつもりもなかったが「私は行ってみたいですよー 特に萩!」と笑ったら 「歴史の好きなあなたなら楽しいかも知れないわね」と笑い返された

確かご自分もいつだか歴史が好きだと言われていたような… 私は何でTV放送を自力で録画した川本喜八郎の『平家物語』をこの人に貸しているのだろう(苦笑) 別にどうでもいいことだけど

そんな話を続けながら 先日古本屋のサイトで注文した『吉田松陰の唖弟』という本が届いていることを思い出した 一応長州つながりといういうことで(笑)
何かの拍子に古本屋のサイトへたどり着いたのでひやかし半分に“杉敏三郎”で検索をかけたら 思い寄らぬこの書籍が引っかかってきたのだ 絶版になっているので入手は諦めていたものだったから 心底驚いた そして即行で注文→入金と相成った訳

本が届いたのがノーマン映画を見に友達が泊まりに来ていた10/31だったために 思いっきりノーマンモードな私は中身の確認だけして書棚にしまってしまったのだった 今更ながら「せっかく手に入れたんだから読まなくちゃな…」と反省をする

実は元来私という人間は本を読まない 本当に読まない 読書が嫌いな訳ではないし 読み始めればそれなりのペースで読み進めるのだが まず最初のページに手をかけることがないのだ

読むものも大抵が歴史小説だの 史料めいた古文書の類に偏ってしまうので 一般にいう「読書人」とは別種の者であるといえる 更には長い話に手を出さないという習性があり 棚を埋め尽くすような長編小説は例えその内容に興味を抱いたとしても 強制されない限り読もうとは思わないだろう 今まで完読した中で一番長かった作品は吉川英治の『三国志』 ここまでが多分私の限界なのだ
(シリーズものなら読めるんですけどね 1巻でひと区切りだから 話が全部つながってる長編はどうも苦手です …つまり集中力がないとか 飽きっぽいってタイプ)

そんな訳で ふとした旅先の話を機に思い出した1冊の本を

いつ読み出すのか
いつ読み終えるのか
自分にも予想できないことが


忌々しくも滑稽な昼下がり

『阿Q正伝』1981年/中国


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