カタルシス
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2004年04月18日(日)  ゴッド・アンド・モンスター 

早朝のTVを見終わってから妹とお出掛け 本日は恵比寿ガーデンシネマにてジェームズ・フランコ主演の『ソニー』を観に行く約束です

ガーデンシネマは全回番号予約制なので 一番最初の回に行くのが読み易くて時間の無駄がありません そんな訳でその日の一番目の回11:10の上映に入り込むため 10:30恵比寿着というスケジュールを立てて地元を9:30に出発したのでした

現地に着くとまだ開場していなかった様で 入口から一本の列が伸びています 最後尾について程なくドアが開かれ順々に番号をもらう観客達 ざっと見たところだと50人くらいの列だったので 隣にいた妹に「100名には入ってそうじゃん?」と耳打ちしました 公開初日の17日と今日の2日間は先着100名にジェームズ・フランコの生写真プレゼント とかいう前情報があったのを思い出したのです
案の定我々が手にした番号は20・21 並んでいた全員が“『ソニー』の初回”だった訳ではなかったようで 2回目以降だったり 隣で上映中の『グッバイ、レーニン!』を観に来た人も多かったのでしょう 2人揃ってジェームズの生写真GETです(笑)

入口の立て看板にジェームズの直筆サインが入っているのを見つけました 確かこの『ソニー』のプレで来日していて 昨日この会場へ舞台挨拶に来ていると思ったので そのサインは書きたてホヤホヤ24時間以内の代物と判断しました サインと言うより署名な感じの“James Franco”の後に添えられた丸い(スマイルマークに鼻をつけたような)顔のイラストが可愛かったです

上映時刻になるまでの間 ロビーに置かれたたくさんのビラやポスターや 上映作品に関連している記事のスクラップなんかを見てまわります さっき貰った生写真と同じカットの写真を雑誌のスクラップの中に発見し「生写真じゃないじゃん!(笑)」とツッコんでみたり

ミニシアター系の映画館なので置かれているビラの類もミニシアター作品ばかりで その中にあった日比谷シャンテ・シネで予定されている『家族のかたち』という作品のビラを見て体が反応 すぐさま手に取って妹に見せたら「何?」という顔をするので 出演している役者の写真を指さしてみます 今度は「あ!」と反応が返って来たので満足してビラを数枚調達 一体誰が出てるって?ロバート・カーライルとリス・エヴァンスv
誰だか分からない人はHPのTOPに戻って「movie」のページをご覧下さい 2人とも紹介しています(笑)

さて『ソニー』ですが 106席という小規模なキャパの会場にも関わらず ハッキリ言って全然埋まっていませんでした(^^;) 何となく予想はしていましたが ジェームズ・フランコのファンじゃなきゃ観に来ないだろって内容だし ニコラス・ケイジの初監督作品という触れ込みで客を呼ぶにしても 1日あればいいだろって具合で… つまり何? えっとその …お察し頂けませんかね(苦笑)

見所はジェームス・フランコ! 特筆すべきもジェームズ・フランコ! 彼のファンだったら見逃す手はないってくらいの露出です 主演ですから出てて当たり前なんですが とても綺麗に撮られています その点はケイジを評価しましょう あとは本当の意味での「露出」も多くて ジェームズ君そんなに脱いじゃって勿体ない…と思ってしまうくらい 惜しげも無く肌を晒しています そしてやっぱり綺麗です その点は〜以下同文(笑)

男娼…とも違うんですが要はベッドの上で女性にサービスしてお金をもらうってことを生業にしている青年の話で 軍に入り何年間かそんな生活から離れたことをきっかけに堅気になりたいと思い始める訳です でも売れっ子で稼ぎ頭だった彼を娼婦の母が手放したがらなくて 軍から戻ってきた息子を何とか復帰させようと躍起になって 母子愛の葛藤が始まる訳ですよ そこにソニーの留守中母が面倒みていた若い娼婦が絡んでくる

彼女も成り行き上こんな仕事をしてはいるものの 堅気になって普通の人生を送りたいと願っている者の一人で ソニーはその子に惹かれながら母にも逆らえず 憧れていた堅気の世界もこちら側と大差のない 薄汚れたものだったという幻滅も知り 途方に暮れるアンニュイな青年ソニー 果たして彼の選ぶ道とは?…

あらすじはこんな感じです

ソニーが幼い頃に消えたという父親の存在や 一人親身になってくれる泥棒稼業の古馴染み ソニーの帰還に舌なめずりをする肥えたマダム達や せっせと客の手配をする老いた娼婦の母親 

どぎつい生々しさの中にある小さな温もりをソニーはうまく見つけられません 見ていて切ないなーと思わせる部分でした

この題材を長年暖め続け 監督を務めたニコラス・ケイジは ちゃっかりカメオ出演していました 初め全然気付かなくて 暫く経ってから「あれ?この人どっかで… あ ケイジ!」みたいな感じ この作品を観る機会があったら「ケイジをを探せ!」に挑戦ですよ☆

恵比寿から渋谷に移動 マークシティの脇にあるイングリッシュパブで トラディショナル・サンデーディナー(税込999円)を食べました サンデー・ディナーというのは“日曜日に食べるちょっとリッチなランチ”という意味で サンデーが取れても 土曜や祝日や諸々のバンク・ホリデー等に使えば“夕飯”ではなく“リッチなランチ”のことなんだそうです 英国留学中によく失敗したと妹が話してくれました(朝「ディナーまでには帰るかい?」「帰るよ」夕方「ディナーには帰るって言ったのに来ないから片づけちゃったよ」「え?ディナーでしょ??」みたいな)

私はディナー・プレート 妹はお約束のフィッシュ・アンド・チップス(税込1,300円)を注文して 運ばれてきたものは ほぼ全て半分こ ケチャップと一緒に運ばれてきたお酢がモルト・ビネガーだったので 妹は懐かしがってチップスにかけて食べていました うちにもモルト・ビネガーあるんですけど(探して買ってきた)何か味が違うみたいで 旅行に行った時の私の記憶も違和感を感じていたので ブランドが違うのかな〜と思っていました 店で出されたビネガーはうちにあるのとは違うラベルだったので 今度はこれを探してみよう!と囁きあったのでした

ディナー・プレートの内容は
●ポークソテー(ラムかポークが選べる)
●マッシュポテト
●ローストポテト
●グリーンピースとニンジンの添え物(やたらと大量)
●ヨークシャー・プティング(パンの一種 シューみたいな味と食感で中が空洞)
一見してお解りのように炭水化物の宝庫です!ポテト一種類で良いだろって話 でもこれがトラディショナル(一般的)
確かに旅行に行ったときのパブでもこんなプレートを食べました この店かなり本格的なイングリッシュパブみたいです 時間帯の所為かも知れませんが客のほとんどが外国人でしたし 店員さんも英語ペラッペラでしたから そうに違いない

間違いない

渋谷から新宿までまた徒歩で移動 今日も天気が良いので明治神宮を突っ切って代々木に出 前回とは違う経路で高島屋の前まで出ました その後今日が期限のレンタルDVDを返却しにTSUTAYAに行って 半額にかこつけてまた新たなレンタルを…

妹が『時計じかけのオレンジ』 ←『ギャングスターNo.1』を観ての影響(笑)
私が『ケミカル51』(ロバカーとリスが出演)『スカートの翼広げて』(ベタニー出演)
まだ『オスカー・ワイルド』も観てないし 半額だからってこの辺でやめとこか〜


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帰宅後『ケミカル51』を鑑賞〜

映画館で見かけたビラに触発されてロバート・カーライルとリス・エヴァンスの両方が出ているという理由で借りてきました プロデュース・主演がサミュエル・L・ジャクソン 彼も結構好きな俳優さんだったのでね

昼間はニコラス・ケイジ監督の作品 これから観るのはサミュエル・L・ジャクソンプロデュースの作品
双方のお手並み拝見です

サミュエル演じるマケルロイは 大学の薬科を優秀な成績で卒業したエリート …だったハズが卒業の日にマリファナ吸引の現行犯で逮捕され未来をふいにしてしまう それをきっかけにゴロゴロと裏社会へ転落 30年後とある研究室の片隅で薬の調合をしていた彼は画期的なドラッグ「POS51」の開発に成功する 裏社会での彼の肩書きは「調合の天才」と謳われる麻薬の調合師だった
ある日彼は雇い主を裏切って薬の成分配合をその頭脳に収めたまま国外逃走 新たな取引相手と会うためアメリカを離れ一路イギリス リバプールを目指す

一方サッカー気違いのフィーリクス(カーライル)はボスの取引の相手であるマケルロイを空港までお出迎え その際見かけた美女の存在に一抹の不安を残す その美女は彼が以前付き合っていた女性ドーンに似ていたからだ 彼女の生業は「スゴ腕の殺し屋」 そしてそれは確かにドーン本人で 実はマケルロイが裏切った取引相手に雇われてアメリカから彼を追ってきたヒットマンである

ホテルの1室で取引を始めるマケルロイ達 隣のビルから狙いを定める殺し屋ドーン マケルロイを送り届けるという任務を果たし 報酬のチケット(翌日にあるサッカーの試合)を受け取ってさっさと帰りたいフィーリクスだったがチケットのお預けを食らって仕方なく部屋に居残ることに

マケルロイに標的をロックし引き金を引こうとするドーンの狙いを遮るフィーリクスの横顔 昔馴染みの登場に躊躇の色を見せる彼女の携帯が鳴った「マケルロイは殺すな 何があっても薬の配合を吐かすまでは彼の命を守り抜け!」という雇い主からの依頼内容の変更が届く 仕方なくマケルロイの監視を続ける彼女の目の前で取引破談のトラブルが発生した

マケルロイ以外の人間を容赦なく的確に狙撃していくドーン 唯一フィーリクスだけは尻に一発撃ち込んだだけで追撃をやめる 訳も解らぬままパニック状態のフィーリクスと妙に落ち着き払ったマケルロイの奇妙なコンビは 死屍累々のホテルから脱出 様々なトラブルを乗り越えて何とか逃げ延びた2人はドーンの存在を確認すると同時に 新たな取引先を探すことになった

ちょっと細かく書き過ぎましたかね?でも面白そうでしょ(笑)バリバリのアクション・コメディです
マケルロイはインテリらしいテンションであまりアメリカの雰囲気を感じませんが 対するフィーリクスはかなり英国人(フーリガン的/笑) 作品の前半は特にアメリカとイギリスの文化の違いをコメディのネタにしているので面白かったです 後半はそんな演出など忘れ去ってる感じ

「POS51」とはコカインの51倍強力で LSDの51倍の幻覚作用があり エクスタシーの51倍の絶頂感が得られるという代物なんですが 何で51倍に設定したのか意味が解らない それに51倍って言われても普通想像つかないと思うんですけど… この「51」に関しては最後まで観れば「51」という数字にこだわった意味が解るのですが そこへ持っていくための伏線にしていたにしてはちょっと不自然過ぎる印象 その流れで考えたら原題をそのまま訳さずに『ケミカル51』という邦題で誤魔化したのは珍しく正解(笑)

リス・エヴァンスの位置はちょっと微妙でしたが 英国の裏社会の大物みたいな役どころです でも大物には見えないんですよねイマイチ マフィアのドンのように手下を大勢従えて偉そうにしているんじゃなくて パーカー着て武器の売買も麻薬の売買も 直接自分で取り仕切るフットワークの軽い人物でした 携帯電話を何個も持っていて それぞれにかかってくる内容をその場ですり合わせて得な方に付いちゃうみたいな 打算的なキャラクターで常に軽快で気さくな様子 なのに裏の力はごっついみたいでサッカーの特別席を前日だというのに事も無げに手配してみたり 2千万ポンドという大金もきっちり耳を揃えて用意しちゃう 一体何者?!と思って見ていたのに それは解決しないまま終わってしまいました…
むねーん!

でもでも 大した出番を期待していなかったリスだったので 短いながらもチョコチョコ顔を出してくれたし 何気にキーパーソンでもあったので ロバカー的にもリス的にもオイシイ映画だったなーと思いました 話も幾つか謎が残ったままだったけれど単純に面白かったし 良かったんじゃないでしょうかサミュエルさん

個人的にはニコラスよりもサミュエルに軍配!

そういやニコラス・ケイジってフランシス・コッポラの甥っ子だって知ってました?
するってーと今年のオスカーで作品賞にノミネートされていた『ロスト・イン・トランスレーション』の監督ソフィア・コッポラとは従兄妹同士ってことになるの? へぇ〜 へぇ〜 へぇ〜…

『ゴッド・アンド・モンスター』1998年/アメリカ


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