カタルシス
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2004年05月14日(金)  さらば、わが愛 

『1:99 電影行動』を鑑賞
SARSの脅威に怯える香港に元気を取り戻させようと 電影界の大物がこぞって参加したPRCMのショートフィルム集です 監督協会から人気俳優から各専門スタッフから とにかくボランティアに近い状態で製作された豪華なCM 『無間道(インファナル・アフェア)』で当時話題の中心だったアンディ・ラウやトニー・レオンも参加しています ついでにアンソニー・ウォン エリック・ツァン サミー・チェンも参加 みんな『無間道』つながり!

CMなだけあって短いです とにかく短くてあっと言う間に見終わってしまいますが 特典映像に入ってるメイキングが見応えありました

2002年の冬から2003年の春にかけて猛威を奮ったSARSは活気溢れる香港に暗雲を運びました 街を歩く人々は大きなマスクに顔を隠して 何を障るにもハンカチ越し 友人や家族とのスキンシップもままならない日々が続いたそうです

香港のアカデミー賞である“金像奨”は4/1に急逝したレスリー・チャンの喪に服すため開催を延期 予定を遅らせて開かれた催事も 出席者は顔をマスクで覆っていて俳優も女優もあったものではなく 喪中の意を表すために衣装も黒を基調にしたものを着る人が目立つという有様です

精気みなぎる香港の姿はこの時 見る影もありませんでした

そこに立ち上がった電影界の重鎮たちが 自らもSARSの感染に気を付けながら撮影したこの短編映像は 一介のCMとは思えぬクオリティで 香港の人々の目に飛び込んだのです

それは医学力も外交力も持ち合わさない映像の世界の人々が 映像の持つ力でもって人々に希望を与える 力強いメッセージでした

多くの人の快い力添えによって 驚くような低予算で作り上げられたというCM達は 別段目を見張るような特殊効果や 練りに練ったストーリー展開を見せる訳ではありません

シンプルでストレート 穿った言い方をすれば単純でステレオタイプの代物ですが そこに込められた強い思いというものが確かに感じられるものではありました
メイキングを見ると余計にそう感じます

去る2月私は実際に香港へ行って来ましたが 確かに以前に訪れたときの雰囲気とは違った空気を感じました 小綺麗になってというか すました街になったというか…(九龍側に限った感想ですが)
それでもSARSの痛手を感じることはなく やっぱり活気溢れる香港の印象を受けて帰って来ました

メイキング映像の中に映し出される当時の街の様子は ニュースや報道で知っていたことなのにも関わらず 初めて「あの香港にもこんな時期があったんだ…」という実感を伴いました

頑張ったなー香港
偉いぞ香港
近いうちにまた 遊びに行ったげよう

なんて思ったのでした(ただ香港に行きたいだけって話か?)

オマケ:金像奨の司会に指名されたエリック・ツァンは暗いばかりのご時世を嘆く余り「司会なんて勘弁してくれ」と一度申し出を断りましたが 活動する様々な人達の姿を見て「俺も何かしなければ」と思い直したそうです その彼のスピーチが特典映像として収録されているのですが 聞いていたら泣きそうなりました ただのオッサンじゃねーです あれが役者としての演技でも 素の言葉だったとしても 私ゃアンタを尊敬するよ 間違いなく偉大な名優だ! オッサン万歳!(>o<)""




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妹の帰りを待って『ベント 堕ちた饗宴』を鑑賞

ミック・ジャガー ジュード・ロウ イアン・マッケラン等の出演が気を引く1997年の作品ですが 私の目的はポール・ベタニー(苦笑) 彼はこの作品で銀幕デビューなんス 当時27歳? ピッチピチ♪

ドイツが舞台のようだったけど 皆さん見事に英語を喋ってらっしゃいます ハッキリ言って国籍や細かい背景なんかはよく解らなかった サー(マッケラン氏)は英国紳士に見えたけどなぁ? 主人公のパトロンなのは確かだと思うんだけど… ←結局解ってない

主人公はユダヤの男性で同性愛の恋人と2人で暮らしています 夜な夜な怪しげな饗宴に入り浸っては 夜の相手を見繕って遊んでいる感じで 恋人の方はその宴で踊りを披露するダンサーくん

で ある夜の相手がたまたまナチに粛正された人物の部下だったことから ゲシュタポに部屋に踏み込まれ 同性愛は弾圧の対象であったために彼らも追いかけられるハメになる そして何とか逃げ出す2人

でも結局掴まってしまって 強制労働に追われる毎日が始まってしまう訳です

今年の初めくらいに同名の舞台が椎名桔平と遠藤憲一の主演で公演されていましたが これ舞台で演ったのー?!(汗)って印象でした 題材が題材なだけに切ないこと虚しいこと この上ない話です おまけに実話を元にした話だってんで余計に気が滅入りました

なんでよー ユダヤもそうだけど 同性愛の何がそんなにイケないんだー!
生殖的な関知で言えば確かに不毛な関係とされるものなんだろうけどさ 人間愛を突き詰めた結果なら認めてくれても良いんじゃないの?って思っちゃうし
倫理に反するって言われても そもそも元になってる倫理観が 人間の手によって定められたものである限り 絶対なものではないわけで

同性異性に関わらず不埒な行為を蔑むってんなら解るけど
不道徳でも異性間なら黙認してもらえて 純愛でも同性間だと断罪ってのは 納得いかんやろ

それにナチのすることはいちいち極端でビックリするぞ 本当人間の所業じゃないってば
今世間で騒がれてる「虐待」も 解っている以外のことが こんなやり方だったりしたら 人間性の欠如も甚だしいって話だよ 想像するのもおぞましい  …うええぇ

勘弁しろホント 映画を見て疑似体験してるだけもこの不快感なんだ 現実に起こったなんて ましてや今でも起こってるなんて考えたくもない

地獄は宗教観による断罪の舞台じゃなく 人間の手によって作られる現実の世界だ

まったく クソくらえだな


映画の感想はどこへやら(汗)
ああ ベタニーはね 何役だか知らずに見てましたが 出てきた途端に見つけましたよ(^^;)
薄々予想はしてましたが 軍服がよぉっくお似合いで… まぁつまり鬼畜側の人でした・。
確かにああいう印象の顔してるしねー 納得の配役だったけどねー ははは・。

それより私と妹はジュード・ロウが見つけられなかったんですが! どこにいたよ? 誰の役だよ??!(本気)

『さらば、わが愛 覇王別姫』1993年/香港


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