カタルシス
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2004年05月15日(土)  そして僕は途方に暮れる 

友人と2時半に半蔵門で待ち合わせをして 駅近くの店でちょっとお喋り 3時半になったのを確認して移動を始め 国立劇場へ向かいました

今日は通し狂言『妹背山女庭訓』の午後の部を観に行くことになっています

今日の席を手配して下さった方からの指示により 上演前に楽屋へお邪魔してチケットの代金をお支払い 手配をして下さった方は直接に知り合いですが 代金をお渡しする相手はそうじゃないので緊張… というか これから舞台に上がられる人形師さんなので いうなれば俳優さんに直接代金を手渡すようなものです

しどろもどろになりながらご挨拶をすると「ちょっと待ってて」と奥に戻られてしまったので 控室の暖簾の前で友人と二人ガチガチになって立っていたら「これどうぞ」と引出物?を頂いてしまいました おそらく名入りの御手拭ではないかと… 恐縮して更に緊張する我々は 何度もお礼を言って 逃げ去るように楽屋を後にしたのでした

…場に馴染まぬ! どう考えても馴染まない!(苦)

16時 時刻を遅れることなく公演は始まります 何てったって長丁場な舞台なので 時間が押したりしたら演者さんもお客さんも大変なんです!

『通し狂言』なので午前の部と午後の部は物語が続いていて 両方通して観る人は午前中11時から夜は21時過ぎまで一日中ずっと観続けることになります 半券があれば外に出ることも出来ますが 何しろタイトな時間割でスケジュールが組まれているので うかうか外へ出ようものなら幕間に席へ戻れなくなってしまう恐れがあるのです おまけに国立劇場の周囲には特にこれといった店がないので 何をしようともまずは成せない状態だと思われます

私にはそんな1日を過ごせる自信がなかったので 演目を見比べて より面白そうと思った方の半日を 観劇にあてることにしたのでした それがたまたま午後の部だったというだけの話

この予定を組んだのが大体半月前くらい 普段は昼夜ある公演だったら昼にして夜は空けておくようにしているのですが そんな事情から今回は夜の予定が埋まってしまいました

何故夜を空けるようにしているのかと言いますと「ライブが入るかも知れない」からなんですな(^^;)
インディーズのライブは直前になってスケジュールが入ることが多いので 迂闊に夜を埋めてしまうと慌てることになるのです でも今回は半月前で5月のライブもパラパラ決まっていた時期だったし 色々なアーティストの予定をすり合わせて見て「もうこの日は大丈夫だろう」と踏んで決めた日程でした

ところが

5月を目前にしてPOWDERのライブが飛び込んで来て それがよりにもよって初のワンマン(プチだけど)だと言うじゃないですか 思わず「ええ?!」と焦りつつ「告知が遅ぇーよ!(涙)」と悪態をついたのです

だってだって 席の手配をお願いしたのは演者さんの身内の方だし 一緒に行く友人も仕事があるのを頑張って早上がりしてくれるってことだったし 今更その予定を蹴れる訳ないじゃん!
POWDERのバカバカー!

…という訳で 友人には終演後行きたいところがあるからと 現地解散を申し出て お茶の時間を開演前に設定してもらいました ライブの会場が四谷三丁目にあるバーなんで 半蔵門とは目と鼻の先なんですわ(苦笑)

16時から21時ちょい過ぎまで しっかりみっちり上演された舞台は やはり見応えがあって 時々眠気を誘われたりもしましたが 全体的には来た甲斐を感じるものでした
物語はまぁ… アレな感じなんですけどね(苦笑) だって内心「有り得ねぇ!」の連発だったし でもこれが文化 日本ノ心!

つじつまが 合ってなくても 大団円

そもそも大化の改新の話なのに服装や髪型や建物・小物に至るまで まるっきり江戸風俗だしね そんなの歌舞伎でもそうだけどさ どんな時代の話でも「江戸風」にしちゃうのが当時の定番だった訳だから 根本的につじつま合わせる気ないんだよね いい加減っちゃいい加減の文化だけど それを解釈するのが「粋」ってことで

終演後会場の前に都バスが特別に待機していてくれて(国立劇場御用達)新宿駅行きに乗れば四谷3丁目も経由するので迷わずそれに乗り込んだら ライブの会場まで15分足らずで到着してしまいました

店に入ると演奏は休憩中で 見知った顔が大勢で飲み食い談笑の真っ最中 チャージに2000円を払って 顔見知りの友達に誘われるまま空いた席に着いたら

「間に合って良かったね」と言われました

…うそ 間に合ってんの?

実は今夜はライブ自体には間に合わなくても 遠方から来ている友人と会うために 遅くなっても行くって話をしてあって 翌日休みだし何だったら夜明かしで遊ぼうか みたいな感覚だったのです 文楽行くって決めてた時点でライブは諦めていたので この時間(21時半)で「間に合ってる」と言われたのは驚きでした

聞けば開始が大幅に遅れた上 構成上2部に分けての演奏だったらしく 1部目は既に終えていましたが2部目がこれからだとのことでした なるほど 私が聴けるのは2部オンリーってことね?

お腹が減っていたので 料理に定評があるという店のウリ文句を信用して POWDERドラムスCHRIさんおすすめの特製カレーを注文 ライスのみの皿とルーの入った小鉢が運ばれて来たので一口食べてみたら なるほど良いお味

ふーん これは確かに美味しいかも

2部の演奏が始まっているのもお構いなしに 黙々とカレーを食べ進める私

演奏中に失礼かとは思ったけど 冷めちゃったらイヤだし そもそもここ飲み食いする店だし 何よりも演奏がさ… 多少なりともお酒飲んじゃってんな〜 って感じだったから

カレーを優先させて頂き ま し た !

楽しそうでイイんだけどねー… もそっとプロ意識持ってもバチ当たらないと思うのよ だってお金取ってる訳じゃんよ こっちゃお金払って聴きに行ってる訳じゃんよ

ああ 聴きに来て良かった

と思わせるくらいのステージにして欲しい訳よ 私なんて1部聴けてないんだからさ 半分の時間に正規の金額出してるんだからさ
…まぁ 遅刻したのはこっちの勝手なんだけども

そんなことを思いながら 割と冷静な視線をステージの彼らに向けていたのでした

演奏後 少しっぱかりCHRIさんとお話 ボーカルのスージーとは挨拶程度 一番構ってくれたのがゲスト出演していた春山さん

「今日は初めから出る予定だったの?」と尋ねたら
「いや 出番の2分前に言われた」との返事

またですかい(汗)

お客さんとして店を訪れた春山さん しばらくしてPOWDERマネージャーの北原さんに「次歌って下さい」と言われて「…は?」みたいな それから落ち着くためにトイレに行ったというリアルなことまで話してくれて 友人共々大いにウケまくったのでした

仕方がないので歌ったみたいですが 散々ため息をついて客席を笑わせたそうだし 楽器も出演者から借りたんだってさ 前回のスーソロの時も当日の朝いきなり言われたって言ってたけど 今回はそれ以上じゃない
スージーの我が儘ここに極まれりって感じだよ 彼氏の愛を試す小悪魔彼女じゃないんだからさ そんな風に毎回甘えて困らせてると愛想尽かされちゃうぞ! …いや 毎回何だかんだで言うこときいてあげちゃう春山さんにも問題あるんだけど

ああもう 結局バカップルなんだなアンタ達!(>m<;)

馬に蹴られる前に退散します はいはい そうしますよ

メンバー含め出演者達は割とアッサリお帰りになり 終電に乗れるか乗れないかの私は結局朝までコースを選ぶことになりました しばらくは店に残って時間を過ごし 皆のドリンクが空になった頃合いで場所を移動 JR四ッ谷駅の方向かう途中にある24時間営業のファミレスを目指して てくてく テクテク…

最終的に残った5人でファミレスに入り 電車が動く時間まで様々な話題で盛り上がったのでした

翌朝は5時過ぎくらいに店を出て四ッ谷駅に向かい JR1名 メトロ4名に分かれて帰宅 メトロは更に池袋方面と荻窪方面に3名1名に分かれ 私は1人で新宿まで

遠方から来ていた2名は大手町にホテルを取っていたのでそこへ戻って行きました
せっかくホテルとったのに夜明かししちゃって悪かったなぁ 体調的にもキツかったみたいだけど大丈夫だったんやろか… すまなんだ

『そして僕は途方に暮れる』大沢誉志幸


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