カタルシス
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2004年07月08日(木) |
彼女のことはよく知っていた |
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下北沢440にて鈴木祐樹のアコースティック・ソロ ライブあり 出番がトップで時間的にどうだろう?と危ぶんでいたものの 思いの外早く職場を出られたので 先に現地入りしていた友人に連絡を取って合流した
440は椅子にかけてゆっくりじっくり堪能したいハコだったので 開場の時間に間に合うように移動した にも関わらずまだ準備中でなかなか「OPEN」にしてくれない
暑いんですけど 暑いんですけど 暑いんですけど!(不快)
結局15分蒸し風呂のような歩道で待たされた後 汗だく状態で中へ雪崩れ込んだ 待ってる間 「440って出演者にけ結構うるさいんだって一回失敗したら出してもらえないらしいよ」 スー氏のソロ演奏を心配する友人の言葉を聞いて
「他人に厳しいんだったら自分にも厳しくなれ(怒)」 と思わず毒づいていたら 程なく開場
お陰様で前の方の席を確保することができ 一息ついてからドリンク交換に行く 440は音が大人し目なのと 各テーブルに置かれた無料のつまみ(塩コショウで味付けした棒状の揚げスパゲティ)が嬉しいハコ ライブハウスというより「生演奏が聴ける昼カフェ・夜バー」といった店だ 真下には同系列のライブハウス251がある 440へはスプリングベルで2回 別アーティストで1度訪れたことがあったが 最後に来たのは一昨年11月のSBだから随分と久しぶりのことになる
そんな感慨にふけりつつ聴いたスー氏のソロは 出演者に厳しい440も文句は言うまい と思えるくらいの演奏を披露していた 1曲目が妙にヌルいテンポだったのと後半気忙しくなったのを除けば ファンの耳にも遜色のなく聴こえたことだろう カバー曲の『アンダルシアに憧れて』などはオリジナル以上の気合いが込められていたようで なんでその歌やねん(汗)と苦笑が漏れた あとは贅沢言わせてもらえば最後の曲に入る前に一度調弦して欲しかったなーと
ファンなんてもんは どこまでも我が儘なもんだな(苦笑)
------------------------------------------------- 『アイ・ウォント・ユー/あなたが欲しい』を鑑賞 レイチェル・ワイズ主演のヒューマン・ミステリーとでも言うんでしょうか? 英国映画です 舞台はある海辺の街 口の利けない少年が美しい女性に出会うところから物語は始まります
まだあどけなさの残る14歳のホンダは その年上の彼女にほのかな恋心を寄せるものの 彼女の方は「自分のファン」くらいにしか思っておらず それでも好かれていることには気をよくしているので何かと優しい対応をする セクシャルな関係は一切ないまま徐々に仲良くなっていく2人だったが 彼女の元恋人が街に戻ってきたことによって 少しずつ少しずつ 正しい形をしていたハズのものが 実はひどく歪んだものだったことが解ってくる
真実は一体どこにあるのか?
登場人物は残らず全てどこか歪んだ人間になっています 純真な少年も幼い頃のトラウマによって利けなくなった口の所為か 音に固執する盗聴マニアでしたし その姉は毎晩違った男性と肌を重ねる奔放なセックスライフを送っています けれどもこの姉弟に卑猥なイメージは全く抱きません 姉弟の仲は良くお互い家族愛でつながっているほのぼのとした関係で スゴく不思議な人物像でした
そして主人公?のヘレン(レイチェル)は美しく清楚な趣がある半面 男性を魅了する艶なテイストを醸し出していて 聖女にも娼婦にも見えるような人物でした 気が強いのか弱いのか 貞淑なのか尻軽なのか 見ている中で色々な顔を見せる女性です
その元恋人のマーティンは殺人の罪で刑務所に服役していて仮釈放になったばかり ヘレンのことが忘れられず街に舞い戻って来たのですが 初めから何やら意味深な様子です トリッキーなのかと思うと やたらリリカルで奥深い人物にも見えてくる
街の人間も一見善良そうに見えて その実性悪な内面をチラチラさせているという皮肉な人間模様です
ヘレンとマーティンが共有する忌まわしい過去を軸に ときに傍観者となり ときに先導者となり 無意識のまま真実の核心に近づいていく年若い姉と弟 地味なりにスリリングな緊張感を与えてくる映画でした
役者的には ホンダの男の子が可愛かった!お姉ちゃんもボーイッシュなのに可愛くて良かったし マーティン役の兄さんは登場してから数分で「あ!『リーチ・ザ・ロック』の人だ!」と気付きました
『リーチ・ザ・ロック/闇からの脱出』で主演していたアレッサンドロ・ニヴォラ ノーマンが2分くらい出ている青春映画っスよ(←もちろんそのために見た/笑) 青春映画と言っても“キャピキャピ&エッチー”な方じゃなくて “悩める青少年の図”の方ですが
そんでもってレイチェル・ワイズ 実はこの人『ハムナプトラ』や『アバウト・ア・ボーイ』で見ていたハズなのに ちゃんと彼女と認識したのは『スカートの翼ひろげて』でのチョイ役だったという 自分的に目覚めの遅かった女優さんなんですが この作品ではエライことになってました! オールヌードにこそなりませんが 上も下もご開帳〜状態で(汗)
ええ?レイチェル・ワイズってここまでする女優なの?!
みたいな マジでビックリでした
皆まで言うとネタバレになっちゃうので控えますが ところどころ修正の入った映画でしたよ(苦笑) とか書くとエロ映画かと思われそうですが 見た目とはうらはらに内面啓示な内容です ヘレンの心情がイマイチ図りかねましたが 誰もが抱える「歪み」がテーマなら あれもアリかな という印象でした
『彼女のことはよく知っていた(Io la conoscevo bene)』1965年/イタリア
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