長いお別れ
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雨が降り始めた。悲しみが窓に爪をたてる。 また明日という言葉を使わなくなって何年になるだろう。 小さな頃は毎日言っていたのにね。 本当に、こんな思いをしてまで手に入れたかったものはなんだったんだろう。 掌をパッと開く。何もない。何も。 何度確認すれば気がすむの。もう這い上がっていくしかないんだよ。 私の存在なんて砂のひと粒のようなものだ。拾い上げてくれる手を待つばかりでは駄目なんだ。 飛び立つ鳥のようにこの世界からでなきゃいけない。 解っているのに足が竦んでどうしても翼を広げる事ができない。 落ちるだけだ。落ちていくだけ。 ここからずっと送っている信号を神様はまだきづいていない。 早く早く早くきづいて。
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