日記日和
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2005年04月13日(水) 『私を抱いてそしてキスして』・・・壮絶・・

図書館で借りてきた、家田荘子さんの「私を抱いてそしてキスして」の感想をさっきまでかなりの時間をかけて打っていたのですが、アホみたいなミスで全部消してしまいました(号泣)


力が抜けてしまいましたが気を取り直して・・・


この本はサブタイトルにあるように、一人の女性エイズ患者と過ごした壮絶な記録です。



1987年にエイズと診断された一人の女性が亡くなり、日本で初めてのエイズパニックが起きました。

私もその記事をどこかの週刊誌で読み、ショックを受けたことを覚えています。

さらに当時は、病院で検査技師として働いており、ウィルス検査を担当していましたので、エイズの要因であるHIV(ヒト免疫不全ウィルス)やその検査法にも興味を持っていました。

私自身は、病院に出入りする薬品メーカーの方や専門誌、または学会などで情報を得ていましたので、かなり正確なものだったと思いますが、広く報道される中は、歪んだ考えを植えつけるものもあったのではないかと思います。


その一つが「黒人=エイズ」「米軍人=エイズ」という誤ったイメージでした。

当時、黒人の米軍人と結婚して日本に住んでいた家田さんは、マスコミの取材や周囲の人々の言葉にかなり傷つけられたのだそうです。


そして、その偏見や誤解を解きたいとの思いから、家田さんはエイズと関わることになったのです。



ご主人の転勤に伴いアメリカに移住して、彼女は、本格的にエイズに向かいます。

ホームナースボランティアターになる為のセミナーを受講し、資格を得ます。

言葉の問題、「エイズが怖い」という率直な思いなど、困難もありましたが、彼女は強い意志と前向きな姿勢で、一つずつ、少しずつ乗り越えていきます。


そんな中で、女性患者ジーナと出会います。


家田さんが、多くのエイズ患者にどう接して欲しいか尋ねると大抵、「感染前と変わりなく。人間として同じに。」という答えが返ってきたそうです。

不幸にもHIVに感染し、発症してしまった人たちの声としては当然のものでしょう。



ただ・・

自分を含め大多数の人(この場合だとエイズではない人)が、それとは一部が違う人(この場合、エイズの人)と接する際に、前を変わりなく、同じに(=普通に)というのは意外と難しいことではないでしょうか。



最近、私自身が「一部が違う人」になったことがあり(それはエイズに比べると深刻さは全く違うものですが、社会から浮いてるという点では似てます)その時の周りの人の反応は本当に色々でした。

高圧的な物言いのあと見限るように去ったり、始終腫れ物に触るような扱いをされたり・・でも中には、ちゃんとこれまでと同じ目線で、ごく自然に接してくれた人もいました。

有難かったです。

「人間として信用できる」気がしました。




話が本のことから離れてしまいましたが、家田さんはいつもジーナに対して、人間として尊敬しながら接していたように思います。

ジーナは、お産の際に感染したのですが、それがわかってから、息子を取り上げられ、母親を含む家族からは距離を置かれ、そして婚約者にも去られたのです。


家田さんも、最初は部屋の臭いに閉口し、エイズの怖さも抱えたままそれでも、ジーナとハグし、同じお皿の料理を食べることによって、少しずつ理解し合っていきました。



また、苦しさからドラッグに手を出したり、いつもジーナが子守りしていた赤ちゃんをその母親が殺してしまうというショッキングなこともあったりして、ジーナが苦しいとき、助けを求めるときに、いつも家田さんが傍にいたのは、ボランティアターとしての使命や義務感ではなく、ジーナへの友情があったからなのでしょう。


この本、エイズを取り上げていますが、結局は人と人との結びつきなんですよね。

それも「死」がとても近くにあって・・うまく表現できないけれど、魂同士の結びつきのような気がするのです。 




ジーナだけでなくその他にも友人をエイズで亡くして、家田さんはこの本の執筆後もエイズについての理解を広めるため、活動されてきたのだろうと思います。



ただ、

今の日本は、エイズに関して、残念ながらよくない方向へ向かっているようです。


エイズに効く薬も開発され、今では以前ほど恐れることのない病気なのかもしれませんが、それにしても、近頃の性に関する奔放さは、危なっかしくてハラハラします。


ドラッグの問題も、またアメリカほど市民権を得ていないゲイの人たちのことも気がかりです。


(正確な数を出したいところですが、実はさっき、正確な感染者数やその推移を調べていて、日記まで消してしまったので、再びは調べる気になれないのです・・ゴメンナサイ)


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