バカ恋 | back index next |
■ アイシテルの先に在るモノ ■ 何時に無く神妙な顔でシュウが悩んでいた。 今度は何さ と自棄に冷ややかに聞いてみた。 今までのパターンを考えれば、大体、 アタシが何かをやらかしたか、或いは仕事の事か、 はたまた、彼の家のゴタゴタか、そんなようなとこだ。 だから、 何で悩んでるか判る? とシュウが言った時、 アタシは何の迷いも無く、其の三つを挙げた。 けど、 シュウは其の三つの答えには首を横に振り、 俺が悩んでいるのはスーちゃんの事だよ と言った。 アタシはシュウの言葉に愕然として、 とうとうこの時が来たのだと、猛烈な悲しみに包まれた。 やはり自分の子供とは違うのだろう。 やはり受け入れるのは難しいのだろう。 スーさんについてしきりに悩むシュウを見て、 アタシははっきりと思い出した。 子供の事を受け入れられなかった男達の事を・・・。 『シュウだけは違う』 そう勝手に決め付けたアタシの思いが、 音も無く崩れ去り、アタシは一体何を信じればいいのだろうと、 また勝手に落ち込んでシュウを困惑させた。 シュウは続けてこう言った。 |
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