新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2004年10月08日(金) 古武術と太鼓操法の気付き3

甲野善紀先生の随感録に上腕の進みについて書いてありました。
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今回の動きの進展の元は、先週の27日に気がついた身体各部の「追い越し禁止」の交通規制を始めたからである。これは非常口に殺到すると、うまく人が流れない例でも分かるが、アソビをつくらず流れるように動けという『願立剣術物語』の教えとも重なる。この事の"たとえ"としては、糸電話は引っ張りすぎたら切れるし、弛んだら音がうまく伝わらないというものも何かピッタリくる。
 この"たとえ"は、つい最近思いついたが、以前にも似た事は言っていたかも知れない。「追い越し禁止」の言葉を思いついたのも、何年か前、信州の江崎氏から、打剣方法で「逆走禁止」「追い越し禁止」という言葉を使った稽古研究の近況報告の手紙をもらった記憶があり、多分意識の奥に、この印象的フレーズが残っていたからのように思う。したがって、もっと早めにこの術理を思いついていても良かったような気もするが、単に言葉の上と感覚として備わるというのは別の事なのだろう。
 今回の「追い越し禁止」に関連して、「細い竹竿でもかなり大きな岩も支えられる。但し、撓まぬように絶えず方向を整えていれば…」というたとえも使っているが、これはかなり前に私が思いついたもので、昔の私の本の中のどこかに書いてあったと思う。しかし、これを書いた時は、現在のような「追い越し禁止」の感覚による上腕部の解放は見つけられなかった。尤も、上腕部の解放の重要さについては10年以上も前から、しばしば語ってきたので憶えている方々も少なくはないと思う。ただ、この上腕部位のなかでも、特にぎこちなさが浮き出てくる三角筋の具体的解放方法が分からなかった。
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 この「追い越し禁止」について、野球のピッチャーの投球をスローモーションで見ると、肘が先に進みボールを持った手はかなり遅れて投げているが、体重が一旦肘に集中してそれから鞭のように投球するというものだ、これでは肘に負担が架かり肘関節と筋肉はたまったもんではない、だから投手に肘の手術をする人が多くなるのだ。
 これは太鼓の奏法にも言えるのです、大きい音を出すためとかっこいい形を作るため、体重を乗せるという事と身体を鞭のようにバネにして肘が上腕より先に動くことは甲野先生の言う「追い越し禁止」の如くやがて肘や上肢骨 (肩帯(肢帯))三角筋が披露して故障します。

 「井桁崩し」の術理のように、骨格を割り支点が複数生じて、ためや遊びがなく、スピードも加わって太鼓の面に当ると芯のある遠鳴りのする音が出るのです。
 イチロウ選手が柔らかい筋肉にしたいと特別なメニューに取り組んでいるというのは、骨を保護するためにウエイトトレーニングで筋肉増強に取り組むのは通説なんだけれども針の穴を通すような・・・太鼓で言うとpp(ピアニシモ、かなり弱く)で叩く繊細な技術は大きな筋肉では邪魔になるのです。
 ピアニストの手、指は筋肉で覆われてますか?
 「身体で叩け!」と太鼓の指導者はしょっちゅう言うのだが、具体的にそのことを教える事の出来る人は少ない、肘、肩、腰、膝、アキレス腱を痛める太鼓打ちが多く、そのために辞めていくのは残念で惜しい、だから古の古武術が伝える技を参考にして欲しい。
●三角筋とは
鎖骨の外側部・肩峰・肩甲棘から起こり、筋束は前・外・後側から肩関節を包みながら外下方へ集中し、上腕骨体の外側面の三角筋粗面に着く三角形の強大な筋肉です。運動動作においては主に肩関節を外転させる作用を持っています。また、三角筋前部は上腕を前方に上げ、内旋し、後部は後方に上げ、外旋といった動作にも関与します。





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