新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2004年10月10日(日) トスカ

 NHKBS-hiでオペラ【トスカ】をやっている。
このオペラは'70年代巴里オペラ座(ガルニエ)と'80年代アムステルダムのオペラ座で見た、もうお涙お涙で僕はこの時から芝居好きというかオペラ好きになった、このトスカのような作品を泣きのオペラと言っている。
 作品は簡単に言うと画家カヴァラドッシと恋人で有名な歌手トスカの物語である。画家は脱獄した政治囚の逃亡を助けたために死刑宣告される。トスカは彼を救おうと警視総監スカルピアを殺すが、スカルピアの計略で画家は処刑され、トスカも彼の後を追って自殺する。
 作品中に有名な第ニ幕の何故このような過酷な運命を与えたのかと神に助けを求めて祈る(歌に生き、恋に生き)
第三幕看守に指輪を与えてトスカに伝言を渡すよう頼む。別れの手紙を書き始めるが、自らの死と恋人との別れを想うと絶望して無き崩れる( 星はきらめき)
 泣けるではないか淑女紳士の皆様。
そして日本ではなじみのないヴィゼー作曲の【アルルの女】これ可哀想なストーリなのです、村の旧家の長男フレデリ、もー単純な純愛で一方的で・・・劇中にはアルルの女は登場しないのです、だから想いだけが募って・・・せっかく密かに愛していてくれた村の娘がいたのに・・・最後あの名曲に乗って投身自殺で終わる・・・これも泣きのオペラ、いやーオペラっていいですねー。
 
 あの頃まじにヨーロッパの田舎のオペラ劇場オーケストラに就職して一生オペラの仕事に携わりたいと真剣に思っていた・・・。
 後年この芝居好きオペラ好きが嵩じて仕事としてのまーオペラではないけれども
新春長谷川一夫歌舞伎でオケピットでの一小間、何度も同じ場面で泣きながら・・・たしかマリンバ、グロッケン、ティンパニーをやっていて、一月公演なわけで、長谷川一夫さんがオケピットから登場という場面があった、どうやら舞台からグシュン、グシュンやっている僕に気付いたそうで「君は芝居が好きなんだねー、でもしっかり頼むよ」と言われてしまった。たしか鼠小僧の扮装だったっけ。

 そして市川染五郎(現松本幸四郎)の【ラマンチャの男】の時芝居に見とれて合図のゴングを鳴らすのを忘れた・・・後で楽屋に呼ばれ「あれが鳴らないと出れないんだよ、集中してくれ!」と叱られたっけ。

 ご存知杉良太郎の遠山の金さん、この時は邦楽囃子・・・杉さんには迷惑はかけなかったけれども毎日同じ場面で泣いている鼓打ちがいるという情報が伝わり「毎日かよーありがとョ」なんて言われた。

 番外編
 これは東京宝塚劇場での事、宝塚歌劇東京公演、NなつこAれい主演の「シンドバットの冒険」でオケピットにいた僕は彼女達がピットの僕の近くに近づいてくるたびにエッチな写真(巴里土産ー時効?)を(もちろん客席からは見えないのだ)置いて、瞬間表情が変わるのを見て喜んでいた・・・ある時うら若き乙女から「何時何分に何所其処で・・・」というラブコール??をもらった。
 深夜の六本木・・・いたのは・・・二十人ぐらいの宝ジェンヌ!いやこっぴどく怒られ飲まされ「あんた、どんな神経してんの?えーかげんにせーへんと、ピットに水かけるよ」
「どうぞそうして下さい」「わからんガキやなー、ちょっとみんなヤキ入れたって!」「かんにん、かんにん」
 でどうなった?ここでは書けません、この喋り誰やと思います・・・あー恐かった・・・今は時めく舞台女優の・・・さんと暴れん坊将軍の元奥方?





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