毒茄子
レガお君



 転勤話再燃。

頭が混乱している。

昨日の外回りで部長室に行った時
部長が私を呼び止めて
足首のサポーターはいつ取れるのか
いつ治ると医者は言ってるのかと
色々と聞いてくる。

もう通院はしてなくて後は日にち薬。
仕事中はとっさの動きがあって
いざと言うときに患側を庇えないから
仕事中だけサポーターをしてて
日常生活には全く支障ないと答える。
スノボに行った事は黙っておく。

すると部長が続ける。
「あなた転勤希望出してたでしょ。
ちゃんと治ってない足で異動して
先方に迷惑かかったら困るのよ。
急に調子悪いとか言われても
すぐに代わりはいないんだから」
「問題ないです」と答えながら
「いつかは転勤できそうだなぁ」
という感触を掴んでた。
思えばそれが伏線。

準夜で出勤したら婦長さんが
「ちょっとだけいいかしら」と私を呼んで
手には勤務シフト表を持っている。
もしかしてと思ってついていったら
その「もしか」だった。

「転勤希望を出してたと言う事で
職種が行政に変わることになるから
県庁が面接に来なさいと言ってるのよ。
ちゃんと決まるのは3月最終週の
ギリギリになると思うけど、
12日の日勤を休みにするから
面接に行ってくれる?」

昨日の部長の話と合わせると
具体的な行き先は別として
どこかの教員にはなれるのかもしれない。
年末に部長と面接した時
「急にそんな事言い出して」みたいな
感じでこの春は無理だと思ってたけど
部長室は動いていた。
私の他にも「教員になりたい」と
職務希望に書いてた人は何人かいるらしい。
私はその希望用紙には何も書いてなかった。
でも、思い立って部長室まで
直に話しに行ったのは私だけ。

去年の今頃、私は部長室に呼ばれて
いきなり病棟異動を仰せつかって
「現病棟生活、残り3週間」
という状況に呆然とした。
今年は「臨床看護婦生活、残り3週間」
の可能性が高い。

仕事に戻って動き始めるけど
転勤の話を聞く前と後では
何となく感じが違う。
患者さんとの他愛も無い会話とか
痛くてパニクってる人の応対をしたり
医者と薬の相談をしたりと
一つ一つの出来事にしみじみする。

私は本当に臨床を引退するんだろうか?
希望どおりになりそうとはいえ
予想外の展開で自分の頭が
まだついていかない。
占いでは今年は何事も挑戦の年だから
攻めに回っても成果はありそう。

準夜は肝・腹部リンパ節メタが悪化して
激痛の患者が大パニックを起こしてた。
主治医とあれこれ相談して薬を試す。
薬を使っても十分に痛みは取れないし
薬の効果発現時間も待ってられない。
ひたすら側に付き添って
手を握って身体をさすって過ごす。
臨床のやりがいが見事に詰まった夜だった。
終わってから友達夫婦と焼肉。

人生は一晩で様子が変わる。

2003年03月05日(水)
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