毒茄子
レガお君



 生返事

深夜明け。

金曜日の朝は採血三昧。
週末に入るからかなりの人数の採血で
それをOP患者の浣腸や
洗面介助と平行させてやっていく。
採血しながら考えるのは
残りの勤務で私はあと何回採血するんかな。

奇しくも古巣の後輩も深夜。
彼女もうちでの夜勤は
今日を入れてあと2回。
「何かね〜しんみりしますよ〜」
かくいう私も深夜残り2回、
準夜も残り2回。

思いがけず早く終わったので
古巣に電話したら後輩はまだいた。
一緒にモーニング食べに行く事にする。
食べ飽きた近所のモーニングは却下で
朝マックを食べに行く。

彼女は送別会週間が開幕したばかり。
来週も連宴らしくペース配分に悩んでいる。
私も去年は同じ状態だった。
今年はまだ発表が無いので動くに動けない。
異動より転勤の方が寂しい度は高いんだけど。

夜、タケから電話がかかる。
いつ会えるかという話になって困る。
テンション下がってしまって
あんまり会いたくない。
おまけに3月後半は予定が目白押しで
宴会とライブと仕事で精一杯。

「今月いっぱいは会えそうにない
という事やな。」とタケ。
「仕事優先にしたらいいから。
看護婦とつきあうという時点で
それは覚悟してる。」って物分り良すぎ。

本当に好きで会いたかったら
今日の後輩のように深夜明けでも
きっと会うんだろうな。
明日の準夜終わってから同期と会うように
時間を何とかひねり出して会うんだろうな。
タケに対してそこまでの気持ちはない。
タケは来週から正規採用になった会社に出勤。
「取引先の都合でヒマな日と
ヒマじゃ無い日と、多分別れるから
ヒマな日に泊りにとか行こうや。」
泊りなんて、全然気分じゃない。生返事する。

タケはタケなりに色々考えてるらしく
「夏前にボード買いに行くのにつき合って」
とか「ワックスはお前に任せるから」とか
「平日にお泊りしたら、朝送ってな」とか
好きなように言ってる。
もう、何だかとってもウンザリ。

基本的にはいい奴でよく気がつくタケ。
歳の割りにしっかりしてるところもある。
でも、時折見えるあのガラの悪さとか
新聞読んでなかったりニュース見てなかったり
「足らない、浅い」と思う部分も大きくて
また私がそこを重視もしたいわけだから
結局のところはもの足りなさが勝ってしまう。

どのタイミングでそれをタケに話すか。

2003年03月14日(金)
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