すきなままでずっと。


昔、授業でかいた原稿を急に読みたくなって探したけど
いちばん読みたかった授業の原稿だけ、
たったひとつも見当たらなかった。

・・・そうだ。

ぜんぶ先生に連れさらわれたんだっけ。
なんだかなぁ。

大反感かった『結婚について』とか『遺書とラブレター』とか
褒められた『卒論』とか読みたかったのに。

下書きならどっかにあるかな。

なに考えてたんだっけなぁ、あの頃。
たぶん呆れるくらい“あの人”のことで頭いっぱいだった、


あの頃。


今のあたしみたいになるなんて、おもいもしなかった。
あたしは一生“あの人”のことだけ想ってるのかとおもってた。

こうやって、恋をし続けるのかな、何度も。

だけどあたし、そんなに沢山の恋なんていらないよ。

あたしは過去が棄てられない。
傷もなかなか治らない。
怖いことばっかりが増えて、どんどん臆病になるばっかり。
これ以上、意地っぱりになったってどうしようもないのにな。


運命なんて、手放しで信じてたわけじゃない。

ただそうあればぃぃとおもってた。


おもえばあたしは、彼の唄を結局、一度も聴けなかったな。
ほんの少しでもぃぃから聴いてみたかった。彼の唄。
いつか言ってたみたいなラブソングを、
彼がまだうたったことのないラブソングを、うたってほしかった。





指輪、ほしかったなぁ。





「ちゃんとしたとこで造りたい」って。
言ってくれただけで嬉しかった。

あたしは彼のものになりたかったよ、   。



「元気で」なんて言ったのは
本気でもうあたしとは、一生、会うつもりも関わるつもりも、
彼にはこれっぽっちもなかったからなんだろう。

あたしはなにひとつもプラスなことを残せなかったから
だからもう過去になってるんだろうね。
哀しいけど、当たり前だね。


ねぇ、でも。

それでも好きなんだよ。

忘れるなんてできそうにないよ。


信じてもらえるんならあたしほんとになんだってする。
過去もすべて曝け出せる。
汚いこともショックだったことも過ちもぜんぶ。

・・・でもそれももう遅いね。

「ちーのこと知るだけじゃん、」って。
あたしのことを知ったり考えたりするっていうことは、
もう彼にとっては意味すらわからないこと。

『失ってはじめて気付いた』なんてチープなセリフ吐いたって
傷ついた乙女ぶっていつまでも泣いてたって仕方がないけど。

云わずにはいられないよ。

あたしの身勝手さも、狡さも踏まえたうえで。
2006年08月06日(日)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

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