| すれ違いばかりだったね。 |
怖くて怖くて、どうしようもなくなってたのは事実。
だけど「待てない」なんて、本気じゃなかったよ。
お互い、いらないこといっぱいきいてたね。 誰か、お互いふたり以外の思考を介して耳にするものは もうそれは真実なんかじゃなかったっていうのにね。
ふたりして疑心暗鬼になって それで真実とは違う現実をお互い別々に築きあげていたの。
あたしだって何度も
「嘘吐き」って、おもったよ。
長く何年も付き合ってたコがいたけど、 最後の方は冷めてウマクいかなくなっても放っておいた、って話。
付き合い始めてまだすぐの頃かな。 そのときはあたしたちのこと知らなかったコにきいたの。
そんなのきかなければよかった。
前々から約束してたあたしのお誕生日を 一緒に過ごす気なんてまったくないような休日希望をみて あたしの知らない理由を知ってたコがいて。
「ちっちゃい嘘が多い」なんて言われてたこと他人にきかされて。 病気になったことも他人にきかされて。 携帯の新しいアドレス知らないのはあたしだけで。 「別れてもいないんだろうけど、付き合ってもいない」なんて おもってたことも他人にきかされた。
それでも他人から発せられる彼の言葉なんて なんの意味も持たなかったはずなのに、なんて今更かな。
あたしが意図的に吐いた嘘はひとつ。 最後の最後にしか、本当のことは言えなかったけど。
それからおもわず誤魔化してしまったことがひとつ。 ちゃんと言わなかったあたしが悪かったの。
でもあとは嘘なんてついてないよ。
だからわからない。
時間の経過が 物事の真実や本質を覆したりすることだってあるのに。
他人からきいたことを真実にするのは反則だったね。
「お互い、嘘がつけないぶん残酷になるね」
あたしの言葉に
「嘘は吐きとおさないから残酷になるんだよ」
答えた彼の頭にはなにがあったんだろう。
いらないこと、いっぱいきいたでしょ。 やっぱり誰かを信じることはすごく難しいことだったね。
ごめんね。
|
|
2006年08月15日(火)
|
|