Tonight 今夜の気分
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2007年07月12日(木) 不敗神話



「 勝負はやっぱり勝たなきゃアカンよ 」

                              横山 やすし ( 漫才師 )

Competitions are to be won.

                              Yasushi Yokoyama



暴言、暴行、借金と、破天荒な生き様だが、漫才の資質はピカイチだった。

ギャンブル、スポーツなど 「 勝負事 」 大好きな性格も、広く知られている。


アメリカ大リーグでは 7年連続出場の イチロー が、オールスター戦史上初となるランニング・ホームランを放ち、MVP を獲得する栄冠に輝いた。

今オフには移籍の話も浮上していたが、在籍する マリナーズ からは 五年契約で 1億ドル という、破格の残留条件も提示されているらしい。

破格とは言っても、彼の長年に亘る安定した成績をみれば 「 妥当 」 という気がするし、球団側からすれば、むしろ 「 お買い得 」 とさえ思える。

金額そのものではなく、「 価格に見合う価値 = value for money 」 といった観点から眺めても、けして、彼に対する評価が過大でないことは明らかだ。

松井、松坂、岡島、城島、斎藤、田口ら、他の日本人メジャーリーガーも、最近は連日のように活躍しており、応援のしがいがある。


早稲田の 斎藤 投手 も、ハンカチ王子 と呼ばれた高校生時代から数え、先日の日米大学野球で敗れるまで 29連勝 の大活躍をみせている。

残念ながら 「 不敗神話 」 には ピリオド を打たれた格好だが、この先も、ますます気迫のこもった投球を展開してくれるだろう。

冒頭の言葉通り、スポーツなどの勝負事は 「 結果がすべて 」 といって過言ではなく、ファンも、スポンサーも、たえず結果を求めている。

当然、勝者がいれば敗者もいるわけだが、勝ってこそ楽しく、愉快になり、負けてばかりいると、憂鬱で、不愉快になり、ストレスが溜まっていく。

連勝中の投手は、次回の登板が楽しみで待ち遠しく、連敗のトンネルから抜け出せずにいる投手は、頑張って勝つか、「 負けに慣れる 」 しかない。


ビジネスの世界でも、競争に勝つ会社、負ける会社、いわゆる 「 勝ち組、負け組 」 があって、同じ会社の中にも 「 勝者、敗者 」 がいる。

たまに、「 仕事が面白くない 」、「 会社に行きたくない 」 と愚痴をこぼす人がいて、その無気力ぶりが度を越すと、精神科医に うつ病 と診断される。

たしかに、無気力は うつ病 の特徴的な症状だが、「 仕事が面白くない 」、「 会社に行くのが嫌 」 というのは、病気とは無関係な別の問題である。

前述した 「 勝ち投手、負け投手 」 と同じで、人並み以上に成果を発揮していたり、組織貢献度の高い社員は、総じて 「 仕事が楽しい 」 ものだ。

仕事が順調で大活躍している人が、仮に うつ病 になったとすれば、それは仕事以外の悩みが大きいわけで、「 仕事が面白くない 」 とは言わない。


つまり、厳しい言い方になるが、「 仕事が面白くない 」 などと愚痴る人は、「 仕事ができない人、業務能力の劣っている人 」 なのである。

仕事のできる人は、「 簡単すぎて飽きる 」 とか、「 待遇に不満 」 といった愚痴はあっても、「 会社に行きたくないほど仕事が嫌 」 にはならない。

実際に、同じ仕事を与えても、能力の高い人よりも、低い人のほうが不満は多く、居酒屋や、最近では ブログ などで愚痴ばかりこぼしている。

そういう人たちは、「 誰だって仕事が面白くないはずだ 」 などと反論するのだが、負け投手に 「 勝利投手の気持ち 」 が理解できるはずもない。

当然、勝ち続けている人は昇給、昇格するし、負け続ける人は格差をつけられ、さらに 「 面白くない 」 状況に陥っていくのである。


このような意見に対して、たとえば私の彼女なんかは 「 厳しいわねぇ、でもさ、皆が勝てるわけじゃないし、いろんな人がいるでしょう? 」 などと仰る。

もちろん、勝者の数だけ敗者がいて、全員が勝者となることはあり得ないのだが、負けるということは 「 弱さ 」 であり、「 個性 」 とは呼べない。

同じ負けるにしても、「 次は勝とう 」 と必死に努力する人、「 負けて当然 」 と開き直る人では、プレイヤーとしての価値がまるで異なる。

自分の無能ぶりを恥じることもなく、「 仕事が嫌 」 などと平気で口にできる御仁は、もはや負けることに痛みすら感じなくなった末期患者である。

たとえ辛くても、今日は勝てなくても、勝利に近づく努力をし、辛さの中にも楽しさを見出す工夫をすることが、報酬をもらうプロとしての使命なのだ。


社会保険庁の職員に対して、「 給料を返せ 」 などと批判する人も多いが、経営者の視点でみれば、「 会社が嫌 」 なんて人も 月給泥棒 である。

たとえ イチロー のような高給をもらっていなくても、給料が少ないから質の劣る労働でよいなどという論拠は成り立たない。

程度の低い社員の存在は、株主、経営者、上司、部下、同僚と、その家族に害悪をもたらし、あるいは取引先、顧客、消費者に提供する質を下げる。

そういう人は、すぐ 「 自分なんて死ねばよいのか 」 などと極論に走りやすいが、そうではなく、「 自分の力量に見合う仕事 」 に転職すればよい。

転職して所得は下がるかもしれないが、「 楽しいと思える仕事での報酬 = 自分の力量 」 であるのだから、それこそが本来の正しい姿なのである。


ストレス発散のために、趣味を持つのも良い事だが、職場内で 「 敗者 」 であり続けるかぎり、そのストレスが他所で解消できるはずもない。

つまり、「 仕事のストレスは、仕事で解消する 」 しか術はなく、そのためには 横山 やすし さんが遺した言葉の通り、勝つしかないのである。

最大限に努力し、どうしても ダメ なら、ストレスを抱えてお荷物になるより、自分が貢献できる職場へ移ったほうが、労使ともに良い結果となる。

人間も食物と同じで、生暖かい場所に放置したり、悪い空気に触れさせておくと、やがては腐りはじめ、周囲に悪臭を放ち、不快感を与えてしまう。

斎藤 投手 が 「 不敗神話 」 を目指して力投する姿は素晴らしいけれども、中年サラリーマンの 「 腐敗神話 」 など、誰も見たくはないのである。






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