| 2007年07月13日(金) |
選挙に運命を託すなかれ |
「 天はみずから助くる者を助く 」
英語のことわざ
Heaven helps those who help themselves.
English proverb
日本のことわざだと錯覚しがちだが、実は 「 輸入品 」 である。
意味を辿ると、英米人の発想を元にした表現形式であることがわかる。
一般的に日本人の場合、他人を助けるという表現は頻繁に使うけれども、「 help themselves = みずから助くる 」 といった表現形式は使わない。
この 「 みずから助くる ( 自分を助ける ) 」 は、「 自分のことは、自分でする 」 で、この場合 「 他人に頼らず、みずから努力する 」 の意味がある。
つまり、冒頭のことわざを日本人に理解しやすく訳せば、「 他人に頼らず、みずから努力する人に、運は向いてくる 」 となるのである。
ちなみに、英語で 「 Help yourself 」 は、「 勝手にご自分でどうぞ 」 といった意味で、人に食べ物や飲み物をすすめる際など、英米人はよく使う。
不親切なようだが、英米人はマイペースに飲食する習慣が一般的なので、たとえば ビール をつがれたりすると、ありがた迷惑に思われやすい。
安倍政権発足後、初の本格的な国政選挙となる 「 第21回参議院選挙 」 が本日公示され、17日間の選挙戦がスタートした。
与野党のどちらが、非改選議席を合わせ 「 過半数 」 を制するのかが焦点だが、年金問題、憲法改正などについて、投票日まで白熱化する模様だ。
今回は、どうも与党に分が悪そうな雲行きで、勢いづく野党側は、こぞって 「 このままで良いのか 」、「 日本を変えよう 」 などと息巻いている。
街の声や、個人の ブログ などをみても、それに便乗したような意見を多く目にするが、たしかに、失態続きの与党を 「 大満足 」 とは評価し難い。
ただ、問題は 「 野党に投票すれば日本は変わるのか 」 という点で、そんな予測も根拠もなく投票に臨むのは、いささか無責任な気がする。
以前、旧 社会党 ( 現 社民党 ) が政権を執ったとき、存在に異を唱え続けてきた自衛隊は解散するのか、外交は激変するのか、関心を集めた。
実際は、内政も外交も 「 従来の政府方針を継承 」 する形で行われ、特に目立った変化や改革が行われたという記憶もない。
印象的だったのは、折りしも 「 阪神淡路大震災 」 が発生し、不慣れな対応で犠牲が拡大したことや、サミットで食あたりして中座したことぐらいだ。
自民党とは思想が180度も異なる社会党でさえ、その有様だったわけで、上層部を自民党出身者が占める民主党に鞍替えし、何が変わるのか。
仮に与党が過半数を割り、あるいは次回、衆院選の結果、政権が交代したとしても、せいぜい、「 いま抱えている課題の解決が遅れる 」 程度だろう。
政権与党が代わっても政策が一変しないのは、良くも悪くも 「 官僚政治 」 と呼ばれる日本特有の 「 お役所体質 」 にある。
内閣は、各省庁からの答申に従い、できるだけ現状を大きくは変化させない姿勢で、国民の反発が最も少ない施策を実行することが基本だ。
たとえば イラク戦争 について、素直な性格の方々は、「 小泉がブッシュのご機嫌をとった 」 なんて発言をするが、総理一人で何の決断もできない。
どの党が政権を執った場合も ( あるいは共産党だけは例外かも )、日本の外交姿勢や、経済対策、税制、憲法、何一つ大きな違いは生じない。
イラク戦争、憲法改正、教育基本法、その他諸々について 「 与党の方針に反対 」 したところで、他の党も 「 別の選択肢 」 は持たないはずだ。
自分の現状に満足していない人、自分は不幸だと感じている人の多くは、それが 「 自分の置かれている環境のせいだ 」 と思いたいものである。
だから、「 自分が努力して変わること 」 よりも、「 ある日突然、自分を取り巻く環境が一変すること 」 を望みやすく、政治にもそれを期待する。
事実、小泉政権下では 「 小泉はサイテー 」 と批判し、待望の安倍総理に代わった途端 「 小泉のほうがマシだった 」 と喚き、常に体制を憎む。
もし、政権が民主党に移った場合も 「 自民党のほうがマシだった 」 と愚痴ることは、まず間違いなく、永遠に同じ作業の繰り返しである。
政党選びも大事だが、他人に期待するよりも 「 help themselves 」 の発想で、ご自分の足元を見つめなおすことが肝要だろう。
|