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2007年08月03日(金) ひらめきと汗の外交戦略



「 天才とは、1% のひらめきと、99% の汗である 」

                   トーマス・A・エジソン ( アメリカの発明家 )

Genius is one percent inspiration and ninety-nine percent perspiration.

                              Thomas A. Edison



汗は普通 [ sweat ] だが、ここでは [ perspiration ] が使われている。

これは [ inspiration ] との韻をふむためで、英文で読むとよくわかる。


海外に留学したり、駐在した経験のある人は、それなりに外国語を理解するものだが、外国語を理解するのと 「 外国人への理解 」 は同じでない。

たまに、「 ○○ に駐在していました 」 などと語る人が、○○人 的な気質をまるで理解していなかったりするのを目にして、苦笑する場面がある。

あるいは、話の都合によって 「 ○○人はよい、日本人はダメだ 」 と言ってみたり、「 日本人はよい、○○人はダメだ 」 などと使い分ける人もいる。

こういう人は、一体 「 外国で何を学んできたのか 」 と疑問に思うが、現地の人と腹を割って打ち解けられなかったので、本質を知らないのだろう。

そのせいか、彼らの語る外国人像は、古風な先入観に従った偏見だとか、マスコミの受け売りみたいな中傷が多く、実態との隔たりを感じやすい。


代表的な例を挙げると、「 アメリカ人は、自分たちを “ 正義 ” と盲信して、戦争に肯定的な人物が多い 」 という誤解を持つ人々の存在がある。

たしかに、第一次大戦、第二次大戦でアメリカ人は、自分たちを正義と真理の保護者と信じ、正しくない戦争に荷担していると思う人は皆無だった。

ところが、ベトナム戦争でアメリカは敗北し、それ以降は 「 自分の国が何をしようと、国民は国を支持すべきだ 」 と考える人の数が激減した。

米軍との協調、集団自衛権に反発する人は、イラク戦争を起こした原因が 「 アメリカ人は戦争好きだから 」 などと誤解している人が大半である。

そういった部分を上手く説明し、誤解や錯覚を取り除く作業をせず、憲法の改正を推し量ろうとするあたりも、安倍内閣の問題点かもしれない。


太平洋戦争で日本人は、アジアを 「 西欧による植民地化 」 から守るために戦っているのだと洗脳され、大部分の人はそれを信じていた。

実際には、自分たちもまた侵略者であり、各地で残虐行為をしたことなどを知らされたのは、戦争が終わってからのことである。

過去に、ベトナム戦争を経験した数人のアメリカ人と話したが、彼らの深い失望感と自信の喪失は、敗戦後の日本人が受けた心の傷に似ている。

それでも、アメリカは強大な軍事力を誇示して、世界の紛争地域に派兵し、フセインを打倒すべく、イラク戦争に至ったのである。

その理由と哲学を知らずして、憲法改正を揶揄する御仁が多い中、今回の自民惨敗で特措法の延長や改正論議が頓挫するのは、誠に遺憾に思う。


内政面では パッとしないが、外交面、防衛面において安倍内閣は一応の成果を挙げつつあったので、その流れが停滞するのは残念なところだ。

選挙戦の結果はアメリカでも報じられ、現地の友人と話したが、やはりその点を危惧する声があり、彼も同じような意見だった。

ただ、安倍内閣は 「 1% のひらめき 」 に対し、「 99% の汗 」 が不十分だったのも事実で、そんな大それたことを実行できる力はなかったらしい。

責任感の強さは認められるが、ここは潔く勇退をして、他の実行力がある人物を後任に据え、もう一度、体制を立て直すことが得策であろう。

いくら発想がよくても、それを国民に正しく伝え、理解と協力を仰ぐ行動力がなければ、何事も成立しないわけで、そろそろ限界がみえた気がする。






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