Tonight 今夜の気分
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2007年08月23日(木) カラマーゾフの兄弟



「 幸福は幸福の中にあるのではなく、幸福を手に入れた瞬間にある 」

        フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー ( ロシアの文豪 )

Happiness does not lie in happiness, but in the achievement of it.

                    Fyodor Mikhailovich Dostoyevsky



優秀な作家、小説家は数多く存在するが、文豪と呼ばれる者は少ない。

ドストエフスキー の作品を読めば、なぜ 「 そう呼ばれるか 」 がわかる。


彼が晩年 ( 死亡する80日前に完成 ) に遺した 『 カラマーゾフの兄弟 』 の新訳本が26万部を突破し、古典文学としては異例の好調ぶりである。

世界最高峰の傑作文学だが、翻訳によっては難解に思えたり、読み進め難かったりするので、「 途中で読むのを挫折した 」 という人も多いらしい。

私自身は、小学校高学年のときに 「 少年向けの簡訳本 」 を読んで興味を持っていたこともあり、その後、大学生時代に読破することができた。

最近、ブーム になっている理由は、この作品に描かれる男女、親子、兄弟の愛僧、暴力、宗教、国家などの題材が、現代に通じるという分析がある。

そんな難しい理屈は抜きにしても、この名作には、推理小説的な面白さや、大河ドラマ的な感動と読み応えがあり、未見の方にはオススメの作品だ。


詳しい内容は省くが、作者が完成後すぐに亡くなったこともあり、この作品には 「 あるいは続編の構想があったのではないか 」 と語る人が多い。

読み終えた後に、原作では脇役的存在だった人物を 「 続編 」 の主人公に見立てて、自分なりの パート�� を空想する楽しみ方もある。

ドストエフスキー は、他の代表作 『 罪と罰 』 などもそうだが、人間特有の善と悪の部分、良心と残酷性を描き、読者を引き込む手法に長けている。

前述の 『 カラマーゾフの兄弟 』 では、父親の殺害という重い題材を主軸としているが、心理学者 フロイト も、作品を研究し、論文を発表している。

19世紀の文豪だが、一連の作品に共通して描かれる 「 人間とは何か 」 という問いに関し、まったく現代人も同じ苦悩を抱えているところが面白い。


冒頭の一句も、まさに 「 その通り 」 とうなずける名言で、きっと、幸福とは 「 そういうもの 」 なのだと思う。

幸福とは、周囲から眺めて 「 幸せな状態 」 にあるかどうかではなく、その人自身が 「 幸せを感じる心 」 を持っているかどうかが重要なのだろう。

手に入れた瞬間に 「 味わう 」 ものであって、苦心して求めたり、追いかけたりする代物とは違うんじゃないかなと、思ったりもする。

ドストエフスキー は、作品を通じて アインシュタイン など世界の著名人らに思想的な影響を強く与えてきたが、遺した言葉にもまた秀逸な味がある。

大学生諸氏も、東大教授陣が 「 新入生に読ませたい本 」 の1位に選んだ 『 カラマーゾフの兄弟 』 を、読み易い新訳本で体験してみては?






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