Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2007年10月05日(金) 南北首脳会談で不安に感じたこと



「 共通の敵を持つほど堅固な友情の絆 ( きずな ) はない 」

             フランク・フランクフォート・ムーア ( イギリスの作家 )

There is no stronger bond of friendship than a mutual enemy.

                           Frank Frankfort Moore



日暮れ時、仕事帰りの社員が居酒屋に集まり、上司の悪口で盛り上がる。

普段、さほど仲の良くない者同士が、にわかに 「 同盟 」 を組む瞬間だ。


友達の定義は様々で、お互いを親友と認め合う関係もあれば、知り合いに毛が生えた程度のものまで、色々な友達関係がある。

私の携帯電話は、アドレス帳を 「 仕事 1〜5 類 」、「 友人 」、「 便利帳 」、「 親戚 」 の 8グループ に分類し、フォルダ登録している。

仕事の関係は、あらかじめ決めた規則に基づき 「 1 〜 5 」 に振り分けるので簡単だが、新しい友達をどこに登録するかは、判断に迷うことが多い。

たとえば、友達付き合いもあるけれど仕事仲間でもあるとか、まだ友達とは呼ぶほど親しくない場合に、どのフォルダを選択するべきか悩んでしまう。

万が一、彼女に見られた場合のことを考えると、女性の友達は 「 便利帳 」 に入れておいたほうが、「 飲食店の名前 」 とか言って誤魔化しやすい。


韓国 盧 武鉉 ( ノムヒョン ) 大統領と、北朝鮮 金 正日 ( キムジョンイル ) 総書記は、「 南北関係発展と平和繁栄のための宣言 」 に署名した。

7年ぶりの 「 南北首脳会談 」 は、インフラ整備などの支援を取り付けたい北朝鮮と、朝鮮半島の安寧を望む韓国側で、意見の合意を得た模様だ。

流れに乗じて、現在も 「 休戦状態 」 のまま継続している 「 朝鮮戦争 」 を終息に持ち込めれば 「 歴史的快挙 」 となるが、はたしてどうだろうか。

繰り返し、何度か協定を結んでは、「 北朝鮮が一方的に約束を破棄する 」 現象が続いてきただけに、宣言の効力は疑わしいと言わざるを得ない。

同じ民族、同じ言語なので、話し合いそのものは スムーズ に進行するが、国際社会が認める両国間の位置付けは、あまりにも違いが大きすぎる。


少し気になったのは、会談中に 「 北京五輪に向け、両国の合同応援団を組織しよう 」 という提案が出され、本格的にまとまりつつあるという話だ。

韓国、北朝鮮、そして中国は、スポーツの国際大会で 「 日本を敵視する 」 傾向が強く、反日感情を主張する舞台として利用する側面がある。

たとえば中国の場合、最初は愛国教育などの政府主導で煽られてきたが、最近では政府が抑制しても、大衆の 「 反日コール 」 が止まらない。

私も中国には会社を持っており、たまに訪ねていくけれど、同じ中国内でも上海と北京では、「 対日感情がまったく違う 」 ことを肌で感じている。

昔から貿易を中心に栄えた商業都市の上海では、日本人を 「 客 」 とみて接する人も多いが、北京は首都の誇りから、愛国心を主張する人が多い。


そんな北京で開かれる五輪に、南北朝鮮の合同応援団が詰め掛けたら、日本が参加する競技では、強烈な反日コールが起こるものと予想される。

冒頭の名言が示す通り、「 共通の敵を持つ 」 ということは、手っ取り早く、短時間で 「 友達 」 をつくるのに、簡単なうえ、強力な効果を発揮する。

韓国と北朝鮮は、「 軍事的敵対関係 」 でありながら、「 同胞 」 でもあるという矛盾を抱えた関係にあり、とても微妙で複雑な間柄にある。

お互いが、相容れない部分を持ちながら、仲良くなりたいという意識もあり、普通の方法で 「 真の和解 」 へ辿り着くには、相当な時間が掛かる。

当然、日本を敵視し合うだけで 「 親友 」 にはなれないが、表面的な和睦を保つために、お互いのわだかまりを 「 反日 」 へ向ける可能性が高い。


中国、韓国、北朝鮮の三国が、過去における歴史問題などをはじめとして、強い反日感情を持っていることは、既に周知の事実である。

ただし今までは、たとえば靖国参拝問題や、歴史教科書問題などに対し、三国が独自に声明を発することが大半で、協調する場面は少なかった。

懸念されるのは、中国でも対日感情の悪い北京に、合同応援団が現われ、反日をテーマに意気投合し、一つの 「 ムーブメント 」 に発展する怖れだ。

それは、南北朝鮮の和睦には利用されても、拉致問題の解決など、日本の国益にとって、悪い影響はあっても、プラスに作用することは考え難い。

韓国、北朝鮮が仲良くなることや、朝鮮半島の緊張緩和、平和保障に水を差すつもりはないが、「 合同応援団 」 に一抹の不安を感じる次第である。






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