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2007年10月07日(日) 国連決議に従うことが、本当に重要なのか



「 自由は、決して圧制者の方から自発的に与えられることはない。

  しいたげられている人間のほうから、要求しなくてはならないのだ 」

         キング牧師 ( アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者 )

Freedom is never voluntarily given by the oppressor ;
it must be demanded by the oppressed.

                           Martin Luther King, Jr.



文中の “ oppressor ” は、圧制 ( 迫害 ) 者、暴君 などの意味を指す。

外国新聞の海外取材、政治欄などをみると、よく登場する言葉である。


その国の文化的成熟度をはかるうえで、大きな尺度となるのが、「 不当な手段によって、誰かが圧迫されたり、服従させられているか 」 という点だ。

どんなに経済力が高い豊かな国でも、強大な軍事力を誇っていても、そのような問題を抱えているようでは、先進国という名に相応しくない。

アメリカも、一連の公民権運動などを経て、やっと 1970年代になってから、世界中が認める先進国への仲間入りを果たした国の一つといえる。

現在も、大国と呼ばれる中では、ロシアと中国の一部において、「 少数民族への迫害や弾圧 」 が横行し、頻繁に人権問題として取り上げられている。

オリンピックを来年に控え、経済発展の著しい中国が、いまだに 「 巨大な開発途上国 」 と呼ばれる一因も、そのあたりにある。


5日、国連安全保障理事会では 「 ミャンマー問題に関する公式会合 」 を開き、この問題について初めての公開協議を行うことになった。

安保理によるミャンマー問題への介入に難色を示し続け、ずっと最後まで非公開協議を主張した中国が、国際世論に押し切られた形である。

中国やロシアが反対の態度を示す背景には、「 安保理が人権問題を扱う前例を作りたくない 」 という思惑があり、今後も、その調整が難しい。

組織的な人権侵害を 「 脅威の前兆 」 とみなし、安保理が積極的な介入を始めると、それは将来、彼らの抱える問題にまで飛び火する恐れがある。

国連決議を 「 正義の象徴 」 だと語る政治家もいるが、けして一枚岩ではなく、常任理事国の思惑や利害により、左右されやすいものなのだ。


中国が拒否権を行使してまでも、ミャンマー制裁に反対する別の理由としては、ミャンマーとの間における 「 エネルギー問題 」 が考えられる。

相互間には、資源の輸出入において多額の実績があるうえ、地理的な問題などもあって、ミャンマー国内には中国のパイプラインが走っているのだ。

万が一、大規模な紛争やら戦乱に発展すれば、中国としても甚大な被害が発生するので、そのような事態は避けたいと願うのが普通だろう。

また、たとえ平和的な解決方法でも、現在の軍事政権と取り決めをしている一元的な協定が、白紙になる危険があるので、民主化に転換しても困る。

つまり中国としては 「 ミャンマーが現体制を維持し、欧米先進諸国や、国連安保理などの介入を受けない 」 ことが、彼らの理想なのである。


日本はミャンマーにとって、最大の主要援助国であるうえ、今回の騒動ではジャーナリストの命まで奪われたが、国連での発言力を持たない。

ミャンマー問題を解決する機能は中国が握っており、国際世論との調整をはかりながら、いかに沈静化させるのか、彼らの手腕が問われている。

このような現状をみるかぎり、やはり国連という組織は、開設当初における 「 第二次大戦での戦勝国間の利益調整機関 」 から、何も変わらない。

大国が集まって、お互いの利害を調整した話し合いの結果が、小国のためになるとはかぎらないし、それが 「 正義 」 である保証など、どこにもない。

ミャンマー問題だけでなく、イラクやアフガニスタンの問題も、同じような調整の結果が 「 国連決議 」 であり、鵜呑みにする政治家は思慮が足りない。






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