Tonight 今夜の気分
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2007年11月09日(金) サルコジ に学ぶべき同盟の極意



「 私の世代の男女は、我々を独裁政治の隷属から解放するために、

  アメリカ が 1944年 にとった行動を、両親から聴いて育ちました。

  だから、我々は アメリカ が好きです 」

                   ニコラ・サルコジ ( フランスの現職大統領 )

The men and women of my generation heard their parents talk about how America returned in 1944 to free us from the horrifying tyranny that threatened to enslave us ... That is why we love America.

                                 Nicolas Sarkozy



部分的に抜粋したので、本意が伝わりやすいように、少し意訳してみた。

ノルマンディ上陸作戦のことまで語らないと、直訳では意味が通じ難い。


パリ に生まれた サルコジ は、ハンガリー 移民の二世で、今年の5月6日、熾烈な選挙を勝ち抜いた末、フランス の大統領へと就任した。

代々、フランス の大物政治家や、大統領などは、高級官僚養成機関である国立行政院 ( ENA ) 出身者が多い中、弁護士から政界入りした人物だ。

従来の 「 国家統制型経済 」 に異を唱え、米英型の 「 自由経済 」 導入を主張し、移民の末裔でありながら、移民政策には強硬な姿勢をみせる。

一言で語ると、「 米英寄りの保守系右派 」 という特徴があり、彼を指名した民意も、いまは親米感情が高まりつつあると考えてよいだろう。

冒頭の言葉は、公式訪米中の サルコジ が、米仏の団結を訴えるために、現地時間の7日、米上下両院合同会合で演説した内容の一部である。


こうした賛辞は、米軍による イラク への侵攻に批判が高まる中、ブッシュ 政権にとって有難い援護射撃であり、会場は万雷の拍手に包まれた。

単なるお世辞ではなく、実際、第二次大戦中に フランス は、米軍の侵攻によって ナチスドイツ の脅威から救われたという歴史を持つ。

その際に、多くの米兵が犠牲となったことを忘れず、孫子の代まで感謝していると述べた演説は、いかにも 「 アメリカ 受け 」 する名文であった。

ベトナム、イラク では失点続きの アメリカ だが、第二次大戦時に、欧州の自由を解放したという自負は、彼らの誇りとして受け継がれている。

近年、イラク 戦争を契機に冷めていた両国の同盟関係が、復活に向けて動き出していることを主張するには、優れた出来栄えの メッセージ だ。


形の上では、経済や文化、防衛などの分野において、日米の関係は親密にみえるが、お互いに、相手への不満と、憤りや確執を抱いている。

アメリカ からみた日本は、常に 「 アンフェア 」 で、特に貿易や防衛の問題においては、利己的な主張を繰り返す日本に、閉口しているのが現状だ。

太平洋戦争についても、日本を憎んではいないが、フランス と同じように、日本は 「 アメリカ による解放 」 に感謝すべきだと考える人が多い。

軍国主義から解放され、自由を満喫できたのは アメリカ の恩恵によるもので、事実、アメリカ の与えた 「 憲法 」 を、後生大事にしているではないか。

そんな見方をされていることも知らず、「 アメリカ の言いなりになるもんか 」 なんて愚痴を吐く日本人を、彼らの多くは 「 恩知らず 」 だと思っている。


アメリカ の肩を持つわけではないが、彼らは、その短い歴史の中で、世界各地の虐げられた人々を救い、自由を解放してきたという自負がある。

それこそが、彼らの 「 誇り 」 であり 「 正義 」 なのだという心情を察しないと、彼らに協力するにせよ、拒否するにせよ、相手の理解は得られない。

テロ特措法の問題にしても、たしかに、日本にとって 「 得か損か 」 といった観点で眺めれば、ほとんど、投資に見合う メリット など無いように思う。

憲法をはじめ、国内法の解釈に抵触するし、相手が後進国ではないから、ODA などの国際貢献と同じように、金品を供出する大儀も浮かばない。

ただ、「 外交 」 は 「 貿易 」 と違い、何の得があるかよりも、誰と組むかという点に重きを置くべきもので、そのあたりの長期的な判断が重要となる。


日本には独自の優れた文化、思想があり、最近では、科学的な技術力や、質の高い労働生産性など、世界から注目される数々の特徴がある。

ただし、全世界の法秩序や、治安の安定に関しては、この小さな島国が、全体の リーダーシップ をとる能力など、現実的に在り得ないのだ。

ならば、リーダーシップ をとれる巨大勢力の中から、最も相応しいと思える相手を選び、その方針に追従することが最善手となる。

それが、国家の安寧と、国際貢献を果たすための理想論ではない現実的な方法であり、フランス は、その相手に アメリカ を選んだのである。

たとえ力量の及ばない事柄でも、何にでも主導権を持とうとするのが、日本の悪いところであり、テロ特措法の是非も、そこが重要な ポイント となる。






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