Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2007年11月18日(日) サブプライムローンで 「 泣き 」 が入る日本の銀行



「 経済学を学ぶのは、経済学者に騙されるのを避けるためである 」

                                       作者不詳

The purpose of studying economics is to avoid being deceived by economists.

                                    Anonymous



一応、こんな私でも 「 経済学者 」 を名乗ってよいそうである。

ただ、お金は 「 研究の対象 」 にするより、「 稼ぐ 」 ほうが百倍は楽しい。


多くのアメリカ人は、人間の持つ可能性 [ potential ] について、その容量は、各自、「 生まれつきのもの 」 で、差があるのは当然だと考えている。

それに比べ、多くの日本人は、「 すべての子供が “ ダイヤモンド の原石 ” であり、それを磨いていくことが、親や教師の役目 」 だと考えている。

日本式の考え方は、ある意味、子供たちにとって素晴らしいことで、誰もが等しく期待されることにより、皆が努力する励みになり、向上する率も高い。

アメリカの中学では、能力別クラス編成を取る学校が多く、早い話、「 彼はダイヤモンドだけど、君はそうじゃないよ 」 と、子供に悟られやすい。

そのやり方によって、トップグループに入った子供は誇りを感じ、やる気を出すけれど、低いグループの子に挫折感を与え、やる気を奪うこともある。


それでは、子供を能力別に振り分けるアメリカの方法が、子供を公平に扱う日本の教育よりも悪いかというと、一概には言い切れない部分もある。

日本の社会では、平均的な能力の子供たちが、努力に努力を重ねて、高いレベルに達した場合、「 よくやってる、頑張っている 」 と評価するだろう。

だが、アメリカ人の反応は、必ずしもそうではなくて、「 無理をしすぎるのはよくない 」、「 自然ではない 」 と、過剰な努力に警戒を示すことも多い。

大半が、勉強をやめろとは言わないが、心の中では彼の行動を歓迎せず、むしろ、ノイローゼになることを心配していることが多いのだ。

アメリカの教師が、生徒の親に対し、「 彼が達したレベルは、彼が本来なら達したであろうレベルより、不自然に上のものだ 」 と、説明する例もある。


英語の [ under-achiever ] とは、優れた知力を持って生まれてきたのに、本人の努力不足で、せっかくの可能性が発揮できない人間のことを指す。

アメリカの親や教師は、そういう子供たちに 「 努力しろ 」 とすすめる一方、[ over-achiever ] という、本来の力以上に無理をする子供は静観する。

もちろん、アメリカでも日本でも、社会に出てからは、やりすぎであろうが、やらなさすぎであろうが、本人の出した結果で彼を判断するのは同じだ。

しかし、学生時代に [ potential ] や [ ability ] は、人それぞれ生まれつきのもので、平等ではないという厳しい現実を、教えるか否かの点が違う。

そのため、どうしても日本では、能力を超えた努力の結果、力量や適性に合致しない職業を選び、無理を重ねて ボロボロ になる人が現れやすい。


総体的には日米ともに同じようなものかもしれないが、アメリカの銀行員、金融関係の仕事に就いている人の大半は、概ね 「 優秀 」 な人が多い。

それに対して、日本の場合は 「 なんで、こんな人が 」 と思うような御仁が、難易度の高い仕事、知力、体力面で 「 タフさ 」 の要求される現場にいる。

さらに言えば、他の業種に比べて、創造力、応用能力、物事への多角的な分析力などの面における 「 尊敬に値する人物 」 は、ほぼ皆無に等しい。

もちろん、得意分野については素人より詳しいのだが、そんなことは当然ながら 「 自慢にもならない 」 わけで、能力が高いとはいえない。

学者が 「 世間知らず 」 なのと同じで、ビジネスの世界では無能の印であり、事実、彼らの無能ぶりが何度も 「 日本の経済危機 」 を招いてきた。


アメリカによる 「 サブプライムローン ( 信用力の低い人々に貸し出す住宅ローン ) 」 が焦げ付き、その余波は、世界中の市場を混乱させている。

まるで 「 不測の事態 」 のように驚いている人々も多いが、これは、所得の低い人や、過去に返済を遅らせたことのある人が借り易いローンである。

つまり、こんなに審査基準が緩いローンなのだから、焦げ付きの出るリスクは承知の上であり、当事者であるアメリカの銀行は、驚いてもいない。

彼らは表面上、住宅の価格上昇に期待していたというが、実際は、それを証券化し、世界中の 「 金融商品 」 に紛れ込ませ、撒き散らしてきた。

現在、中国は各地から 「 有毒食品 」 の発信基地として叩かれているが、アメリカは 「 有毒債権 」 の発生源として、世界を震撼させているのだ。


問題は、それを疑いもなく受け容れ、莫大なる債務を抱えることになった、どうしようもなく アホ な 「 日本の金融マン 」 たちである。

彼らは、自分たちの無能ぶりによって日本経済を窮地に陥れた 「 バブル 」 の教訓を忘れ、今度はアメリカの土地バブルに、まんまと引っ掛かった。

おそらく近日中に、大手都市銀行の一部から 「 泣き 」 が入り、またもや、公的資金の注入を必要とする懸念が、あちこちから聞こえ始めている。

前述したように、お得意の市場だけに目を光らせ、世間の常識や、周りが見えていないために、このような失敗を何度も繰り返してしまうのだ。

本来、最も優秀な頭脳を必要とする経済の中核に、日本中の馬鹿を集めたかのような組織こそが、日本の銀行であるといっても過言ではない。


彼らの一部は、たとえば外交問題の話題で、「 アメリカの言いなりになるのは変だ 」 などと語り、いかにも自分は学が有るかのような顔をしている。

ところが、ご自分の商売では、まんまとアメリカ側に騙されて、言いなりに 「 お荷物 」 を背負わされ、あたふたしているのが現状だ。

また、近年、都市銀行が資本提携という形で囲い込み、本体の収益確保を図ろうとした 「 消費者金融 」 も、一種の サブプライムローン である。

こちらも、グレーゾーン金利の問題やら、取り立てに関するコンプライアンスなどの対応に追われ、かえって赤字の拡大に繋がっているようだ。

借り入れは無いが、日本の銀行員と交流を持ち、投資面で 「 彼らの意見と反対の行動 」 をとることで利益を挙げている私は、少し感謝もしている。






↑ エンピツ投票ボタン です。 一度クリックする毎に筆者が踊ります。

My追加


 < PAST  INDEX  NEXT >


Oldsoldier TAKA [MAIL]

My追加