Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2007年11月19日(月) 大阪市長に 平松 邦夫 氏 が当選



「 自分の仕事を成し遂げるのに、他人の脳ミソを使える者こそ、

  大物と言える 」

                  ドン・パイアット ( アメリカのジャーナリスト )

That man is great who can use the brains of other to carry out his work.

                                    Donn Piatt



人は、自分の視点でしか、モノ を眺めることができない。

だからこそ、他人の視点、他人の脳ミソを借りることが、重要なのである。


ここでいう 「 他人の視点 」 だが、自分より高い視点であっても、あるいは、低い視点であっても、それは、どちらでも構わない。

利発な人、独創性の高い人からは、自分の死角を補い、一人では気付かなかった新たな発想を見出す手掛かりを与えてもらうことが期待できる。

愚かな人、いつも失敗を繰り返す人も、ずっと観察していると、どこに問題があるのかということを、教えてくれる 「 教師 」 に成り得る。

他人の立場や目的を理解できれば、いかにして彼らが、そのような考え方に至ったのかということまで、わかることもある。

色々な視点を持つ人々と交流して、それを理解することで、自分の見識を広めたり、問題解決能力を高めたり、すべてが成長に結びつく。


逆に、たとえ自分は正しいと信念を持っていても、まったく他人の話に耳を傾けなかったり、反撥するばかりでは、何事も上手くいかない。

有能で、正しい理念を持っていながら、他人との協調性を著しく欠いていたり、傲慢な態度が過ぎるために、潰れていく人々を何人も見てきた。

せっかくの力量も、現実に発揮できなければ成果に結びつかないわけで、単なる敗北者として表舞台から去る運命にある。

真の リーダー とは、そういうものであり、識者の意見も、下々の欲求も理解したうえで、牽引するばかりでなく、歩み寄る姿勢が不可欠だ。

その過程で、やる気や能力に劣る者との接し方は、くだらない弁明に妥協するのではなく、自発的な意識改革を促すように心掛けるのが良策だろう。


18日投開票された大阪市長選で、元アナウンサーの 平松 邦夫 さん(59) が当選し、戦後初の純民間出身市長が誕生した。

民主党 公認のため、与野党の政争にも影響を与えそうだが、平松 さん を選んだ大阪市民の意志は、政党の違いを反映したものではない。

長々と続いてきた 「 腐敗市政 」 に対する不満、税金の無駄遣い、景気の鈍化などに対する不満が、一気に爆発し、現職市長を拒絶した形である。

大阪市では、助役から 「 エスカレーター式 」 で市長に昇格する慣例が続いており、異常とも思える公務員の厚遇、議会の不透明さに問題があった。

平松 さん は、情報公開、財政再建を公約に掲げ、市政を 「 官から民へ 」 取り戻す担い手として、大いに市民から期待を寄せられている。


私も含め、個人的に 「 民主党 は嫌いだが、市長には 平松 さん が良い 」 と考えていた人が多く、自民党の支持層も、多くは 平松 さん に投票した。

懸念材料は、知恵の浅い 鳩山、菅 などの 民主党 幹部 が、平松 さん の当選を、国会の場にまで政争の材料として持ち出すことである。

今後、平松 さん は、市議会において 「 少数与党 」 という立場で対応していかねばならないが、その際、民主、自民 の対決構図が邪魔になる。

ただでさえ、政官癒着で運営してきた市議会にとって、平松 さん は厄介な存在であるのに、ねじれ国会の余波を受けると、なおさら立場が悪い。

あらゆる局面で、党規を理由に方針の妨げを受け、ことごとく反撥に見舞われてしまうようでは、せっかくの 「 救世主 」 も活躍する機会が危うくなる。


ここは、焦らず、敵将の中にも協力者を求め、あるいは部外の援助を受けるなどして、じっくりと市政の改革に挑んでもらいたい。

また、民主党 幹部 は、国政の軋轢を市政にまで持ち込まないように、独立した市政運営に協力する姿勢を示してもらいたいものだ。

実は、個人的に 平松 さん を少し知っているのだが、温厚な人柄と、内面に秘めた熱意の強い 「 極めて優秀なジャーナリスト 」 の一人である。

真価を発揮することができれば、必ずや市民にとっては プラス に作用し、大幅な市政改善に結びつくことが期待できる。

問題は、利権に味をしめた現職議員と、ぬるま湯体質に浸った市職員組合との軋轢、そして、中央政界による妨害工作で、その前途は厳しい。






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