| 2007年11月20日(火) |
大阪大学 の アカハラ事件 |
「 学者は考える時間がなくなるほど研究してはならない 」
作者不詳
Sholars should not study so much that they have no time to think.
Anonymous
いわゆる 「 専門バカ 」 というタイプの人が、どの世界にもいる。
それで、何かの役に立てばよいが、単なる 「 非常識 」 で終わる人も多い。
大阪大学は20日、医学系研究科の男性教授(47)が教え子の女子学生にセクハラ行為をしたとして、諭旨解雇処分にしたと発表した。
教授は昨年12月、指導していた女子学生に対し、研究室内で2回にわたり猥褻な行為を行い、女性が大学のセクハラ相談室に訴えて発覚した。
阪大は、この教授に対し、懲戒解雇でなく諭旨免職とした理由を 「 被害者が謝罪を受け入れ、示談が成立しているため 」 と説明している。
一昨年の4月にも、阪大では、女子学生に対するセクハラ行為により、別の教授が諭旨解雇になっており、現場の体質や、指導体制に批判が多い。
今回の事件を受け、総長は、「 教育者としてあるまじき行為により、精神的苦痛を与えたことは誠に遺憾 」 と、通り一遍の謝罪を行っている。
教員から学生への性的嫌がらせは、一般のセクハラ [ sexual harassment ] と分け、アカハラ [ academic harassment ] として、社会問題になっている。
私の知人だけでも、教員から アカハラ を受けたり、あるいは レイプ されたという女性は数人いて、おそらく、報道されている以上に日常化している。
その精神的苦痛は、阪大の総長が述べたような 「 誠に遺憾 」 で済まされる程度ではなく、もっと深刻で、長期的な ショック を伴うことが多い。
以前、就職の世話を頼まれた22歳の女性は、容姿端麗、頭脳明晰な才媛だが、某国立大学の大学院で アカハラ を受け、中退を余儀なくされた。
その後も男性恐怖症が抜けず、せっかくの素養を持ちながら、目指す職種に就けなかったのだから、ある意味 「 夢をあきらめる 」 結果となった。
私のように、顔も態度も 「 スケベ丸出し 」 ならば、近づく女性も慎重に警戒するものだが、相手が国立大学の教員ともなれば、どうしても油断する。
また、一流の国立大に通うような女子は、男性に対する免疫が不足しがちで、いわゆる 「 男の恐さ 」 というものに慣れていないことが多い。
教員のほうも、感情の機微やら、世間の常識に疎い者が多いため、自分に慕ってくる女子を、単なる敬意なのか、恋愛感情なのか、誤解をしやすい。
セクハラ のように、上下関係を楯にした卑劣な嫌がらせばかりでなく、誤解と非常識によって、最悪の事態へ発展する例も多いようだ。
言葉は悪いけれど、「 非常識な男性 」 が 「 世間知らずの女性 」 と密室に入り、接近したことで、取り返しのつかない事態に陥ってしまうのである。
アカハラ を未然に防ぐには、学校側による教員の指導と厳罰化、そして、教員と学生であっても、「 密室で二人きりにさせない 」 ことが望ましい。
特に、理科系の大学院では、研究室で二人きりになる時間が長く、場合によっては深夜に及ぶことも珍しくないので、極めて危険な環境にある。
知人の女子も、遺伝子組み換えなど、バイオ技術の研究で教員と長時間を過ごし、そこで、アカハラ の被害に遭ったそうだ。
研究の影響を受け、「 自分の遺伝子 」 に興味を持ったかどうかは定かでないが、普段の 「 よい先生 」 が、突然、人格を豹変させてしまったらしい。
人格者として崇められる教授ほど、女子としては、深い傷を受けても告訴し難いもので、もっと大学側は アカハラ防止 について注意する必要がある。
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