Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年01月16日(水) 田舎まで、残虐な事件が増えた理由



「 危険な女などいない。 感じやすい男がいるだけだ 」

                ジョゼフ・ウッド・クルーチ ( アメリカの批評家 )

There is no such thing as a dangerous woman ;
there are only susceptible men.

                            Joseph Wood Krutch



たしかに、誰かを 「 危険な女性 」 と感じるのは、特定の男性だけだ。

その女性に何の興味もなければ、危険を感じることもない。


青森県八戸市のアパートで、母子3人が刃物で殺害され、放火される事件が発生し、無職の長男 (18) が現行犯で逮捕された。

その後、八戸署捜査本部の調べで、母親 (43) の遺体は腹部を切られ、人形とみられる異物を詰められていたことが判明している。

捜査本部では、「 母親に対する強い恨み 」 が犯行につながった可能性があるとみて、逮捕した長男に対し、慎重に調べを進めているという。

犯行の仔細から鑑みて、犯人の異常性は 「 反社会性人格障害 」 の部類に属するものだが、彼らの人生のテーマは、ずばり 「 復讐 」 である。

人を愛したり、信じることを自分から捨て去り、他人の慈悲や愛にすがるのではなく、他人を無慈悲に貪ることで、生き延びる選択をするタイプだ。


一部の報道では、母親の酒癖に腹を立てていたとされるが、母親の腹部に攻撃を加え、人形を詰めるという行為には、違う怨念を感じさせる。

不本意な自分を 「 生んだこと 」 に対する恨みや、復讐する気持ちが強く、母体の象徴である腹部を残虐に切り裂いたとみるほうが妥当だろう。

また、多くの場合において、反社会性人格障害の人のバックグラウンドには、拒絶された愛や、否定され続けてきた歴史が垣間見られるようだ。

拒否され、愛されないことを自らが行って、自分の存在を証明しようとする捨て身の試みの裏に、実は、愛と承認を求める気持ちが隠されている。

それは他人からみると、「 一面的な思い込み 」 に過ぎないのだが、彼らは復讐というテーマによって、自己のアイデンティティを見出すのである。


このような事件が、昔から無かったわけではないが、昔は、どちらかというと都会に多く、のどかな田舎では滅多に起こらなかった印象が強い。

いつから、どうして、都会型の派手で残虐な凶行が 「 グローバル化 」 し、比較的ストレスが少ないはずの穏やかな地方にまで行き渡ったのか。

残虐な事件が起きる度、犯行を彷彿とさせる漫画や動画が指摘されたり、制限を加えるべきという議論も加熱するが、どうも違う気がする。

マニアックな嗜好や、反社会的行為の願望があったとしても、その大部分は妄想的に楽しむ範囲で収まるはずで、実行する者など皆無に等しい。

また大半の人は、そういった自分の願望や性癖を 「 恥ずべきこと 」 と認識しており、特に地方の人ほど、誰にも打ち明けず、そっと胸に秘めていた。


個人的な意見なのかもしれないが、私は、特に商用でなく一般個人による悪意のない 「 有害なブログ 」 の影響が大きいように思う。

一般社会で公言すると、たちまち批判を浴びる反社会的な暴言や、大人として恥ずべき愚痴や、放言が、野放しで大手を振って罷り通っている。

従来なら 「 自分だけの恥 」 と感じ、潜めていた病的性格や、異常思考の類が、ネット上で共感を得ることにより、表出させる連中が現れ始めた。

自由な世の中において、あるいは差別的に聞こえるかもしれないが、社会秩序を維持するため、精神病患者のネット接続も禁止すべきと思う。

もちろん、ネットだけでなく、テレビや雑誌など諸々のメディア媒体も、それら病的な資質を 「 個性 」 として認める悪習は、どこかで断つべきだろう。






↑ エンピツ投票ボタン です。 一度クリックする毎に筆者が踊ります。

My追加


 < PAST  INDEX  NEXT >


Oldsoldier TAKA [MAIL]

My追加