| 2008年03月12日(水) |
犯人なきバラバラ殺人 |
「 結婚を成功させるには、何度も恋に落ちなきゃならない。
しかも、いつも同じ人に対してね 」
ミニヨン・マクローリン ( アメリカのジャーナリスト )
A successful marriage requires falling in love many times, always with the same person.
Mignon McLaughlin
人間は ミス を犯すものだが、それ自体は大きな問題でもない。
誤りに気付いたときに、軌道修正したり、やり直す勇気こそが重要だろう。
渋谷区に住む外資系企業社員 三橋 裕輔 さん の切断遺体が見つかった事件で、妻 歌織 被告の第10回公判が東京地裁で行われた。
被告人質問で 歌織 被告は、、「 地球上の全部のエネルギーが自分の中から込み上がってくる感じだった 」 と、殺害時の心境を述べたらしい。
悩みを抱える人間に対して、ある程度、喜怒哀楽の感情は理解できても、 “ 地球上のエネルギー ” なんて話を出されたら、到底、共感はできない。
小学生時代に、国語テストで 「 そのときの A 君 の気持ちを書け 」 なんて設問があったけれど、よく考えてみると難しい問題だったのかもしれない。
仲の悪い夫婦がいて、「 そのときの 妻 の気持ちを書け 」 と尋ねられても、それが殺意なのか、心労なのか、他人に判断できるものではないだろう。
本来、社会秩序を維持するために必要な 「 罪人の処遇 」 は、犯した罪の大きさによって裁かれるべきで、特例は、法の下の平等に支障をきたす。
ところが実際には、少年法や、刑法第39条および第41条などに規定される 「 被告の責任能力 」 が重視され、判決に多大な影響を及ぼしている。
つまり、現行の司法制度では、「 どんな罪を犯したか 」 よりも、「 誰が罪を犯したか 」 のほうが重要で、刑期は犯罪者の個性によって決まるのだ。
では、精神異常があれば平等に罰を免れるかというと、これがまた違うわけで、麻原 彰晃 や、宅間 守 などは、死刑を言い渡されている。
その違いは、「 精神鑑定 」 の結果によるものとされるが、この精神鑑定も曖昧な部分が多く、担当者が変わると結果が覆るケースも珍しくない。
心神喪失が認められると、「 不起訴になるか、起訴されても無罪となる 」 という刑法第39条に関しては、社会的に抵抗感を抱く向きが多い。
事物の是非・善悪を弁別し、かつそれに従って行動する能力 ( 責任能力 ) に欠けているという理由からだが、社会秩序の安寧は置き去りになる。
今回の事例も、精神鑑定で 「 心神喪失または心神耗弱 」 が認められそうな気配にあり、無罪放免となる可能性も浮上してきた。
世の中には、「 結婚 」 によって人格が変わったり、夫婦間の不仲が原因で精神を病む人というのが、かなりの人数いるようだ。
殺す前に別れればよかっただけの 「 犬も喰わない夫婦喧嘩 」 に、司法や精神医学が介入し、殺人まで容認するのは、後々、問題を残す気がする。
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