2008年06月01日(日) |
日韓関係の巨大な障壁 |
「 公益といえるものは、ただ一つしかない。
それは、市民の私益を保証することである 」
シモーヌ・ド・ボーボワール ( フランスの作家、思想家 )
The only public good is that which assures the private good of the citizens.
Simone de Beauvoir
限りある資源を有効に活用し、地球に優しい生活をしよう。
未来のため、次世代のため、それが 「 エコロジー 」 の理念だったはずだ。
人類の未来に向けて、将来ある若者のために、無駄遣いを排除し、それで少しは不便な思いをしても、自分たちが我慢すればよい。
そうやって 「 自己犠牲の精神 」 を語りながら、では、“ 未来のために少し負担してください ” と政府が頼めば、途端に反撥するのが大衆である。
少子高齢化が進む現状において、将来ある若者が苦しまないように、老人も少しは医療費を負担してくれと法案を出せば、たちまち跳ねつけられる。
どこの国でも、政府は国家の将来を案じ、大衆は目先の生活を最優先するので、このような 「 ジレンマ 」 が起きるのは世の常だ。
いくら将来のためとは言えど、無理な負担を国民に強いるのは間違いだし、かといって、大衆の喜ぶ施策ばかりを採用するのは、無能の極みである。
政治家は、選挙に勝つことで存命する 「 人気商売 」 なので、いくら立派な政策を並べても、有権者のご機嫌を損ねると、たちまち職を失う。
自民党は、最大の支持層である老人を敵に回し、『 後期高齢者医療制度 』 なる法を発布し、案の定、支持率を低下させたが、その勇気は評価できる。
逆に、民主党は 「 国民の利益を代弁する 」 という名目で、大衆にとっては耳障りの良い話ばかりを並べ続け、与野党逆転を匂わす人気を得た。
問題は、その民主党が政権を奪取した場合に、大衆の 「 目先の利益 」 を守らねば失望を招き、守れば 「 国家の未来 」 が置き去りにされることだ。
大衆が抱く 「 目先の欲得 」 を適当になだめつつ、未来への布石が打てるような政党は、残念ながら、どこの国にも存在しないようである。
隣の韓国では、日本以上に 「 政治不信 」 が深刻化しており、就任わずか3ヶ月しか経っていない新政府は、早くも窮地に立たされている。
5月31日の夜から始まった 『 韓国政府による米国産牛肉の輸入再開 』 に対する抗議集会では、約 3万8000人が参加し、現場周辺は騒然となった。
日本でも、BSE の危惧に絡み社会問題化したが、韓国の場合は、アメリカとの協議内容や、輸入に関する諸条件がまるで違う。
特に、「 輸入再開後、BSE が発見されたとしても、韓国政府は輸入中断を求める権利がない 」 という契約条項には、国民の怒りが集中した。
ネットでは、大規模のオフ会が次々と計画されるほか、李 明博 大統領 への弾劾署名は、既に 200万人を超えている。
韓国には、根強い 「 反日、反米思想 」 があり、いまも休戦中の北朝鮮を擁護する 「 左翼勢力 」 が、強大な影響力を保持している。
たしかに、日本と比べた場合、アメリカが韓国へ牛肉の輸入再開に向けて提示した内容も理不尽だが、騒動の根幹は 「 別のところ 」 にある。
それは、経済発展や近代化、国際化に向けて、日米と親睦を図り、逆に、北朝鮮とは距離を置こうとする 李 明博 大統領 への 「 抵抗勢力 」 だ。
あまり知られていないが、休戦状態であるにも関わらず、韓国内の公人が北朝鮮や 金 正日 の事を 「 公然と非難する 」 のは タブー とされている。
経済面では、韓国が 「 太陽政策 」 などで北朝鮮を一方的に支援しているけれど、韓国の政局は 「 北朝鮮が握っている 」 のが実態なのだ。
もしも韓国の政治家が、“ 金 正日 は独裁者だ ” と批判した場合、たちまち抗議が押し寄せ、左翼系の団体や人々が、ありとあらゆる妨害をする。
韓国の左翼勢力では、北朝鮮の指導者は 「 かつて日本帝国主義と戦って勝利し、現在は米国帝国主義と戦っている英雄 」 と判断している。
なぜ、( 休戦中の ) 北朝鮮に対し、盧 武鉉 前大統領 を中心とした韓国の左翼勢力が、巨額の経済支援を行ったのかという点も、ここに答がある。
日本にも、北朝鮮から利益を得て、反米思想を扇動する政治家はいるが、韓国ほどあからさまではないし、マスコミも露骨に協力はしない。
大衆の 「 私益 」 に対する危機感を煽り、そこから反米、反日へと扇動する韓国の風土こそが、実は、日韓関係の大きな障壁となっているのである。
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