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2008年06月13日(金) 北朝鮮への譲歩は、“ 利権組 ” の陰謀か



「 分別とは、すべきではなかったと、あとから教えてくれる声 」

                                    英語のジョーク

Conscience is the voice that says you shouldn't have done something after you did it.

                                    English joke



分別とか、良識というものは、その場で判断し難いことが多い。

後になって、「 すべきではなかった 」 と後悔するのが、世の常である。


町村 官房長官 は、北朝鮮との公式実務者協議で、北朝鮮が 「 拉致問題に関する再調査 」、「 よど号 犯の身柄引き渡し 」 を約束したと述べた。

政府は “ 一定の前進 ” とみて、北朝鮮籍船舶の一部入港を認めるなど、北朝鮮に対して続けてきた経済制裁を、部分的に解除する方針を決めた。

福田 内閣 の支持率を急落させた 「 後期高齢者医療制度 」 や、その他の政府案について、特に不満はなく、反対する気は無い。

しかし、今回 ( 北朝鮮への経済制裁解除 ) だけは、まさに 「 空いた口の塞がらない愚策 」 であり、このような無能ぶりを見過ごすことはできない。

明確な “ 成果 ” や “ 進展 ” が無いのに、「 最も信頼できない交渉相手 」 に対して、手持ちの切り札を捨てるとは、愚かにもほどがある。


日本の政治家が北朝鮮に対して、行動を起こす理由は二つあり、一つ目は 「 利権 」 のため、二つ目は 「 人気取り 」 のためである。

前者の 「 利権 」 を目当てとする政治家は、与党にも野党にもいて、名前を挙げるのは差し控えるが、国民の多くが知るところだろう。

彼らは、しきりに 「 北朝鮮との対話 」 が重要だと語り、何度も出向いては “ 将軍様のご機嫌 ” を窺い、国内では、各方面に圧力をかけている。

北朝鮮を刺激すると 「 暴発の恐れがある 」 と吹聴するのも彼らだが、これは根も葉もない 「 嘘 」 で、石油の無い北朝鮮には、暴発する力すらない。

万が一、北朝鮮が核攻撃を仕掛けるとしても、核弾頭の積める テポドン は射程が長いため、発射すると日本を飛び越え、太平洋に行ってしまう。


日本に落ちる可能性があるのは、射程の短い ノドン だが、その弾頭部分は核兵器を搭載できる構造になっておらず、「 通常爆弾 」 しか積めない。

通常爆弾というのは、500キロ から 1000キロ 程度の爆弾で、破壊力は小さく、東京 へ落ちたとしても 「 5階建てビル 一棟 の全壊 」 すら難しい。

米軍、国連軍に 「 空爆の大義名分 」 を与える リスク を冒し、日本列島に ミサイル を放っても、その被害は 「 5階建てビル 一棟 」 なのである。

最近では、そんな北朝鮮に 「 暴発は不可能 」 という事実が明らかになってきたが、利権を手放したくない悪徳政治家は、いまだに暴発論を繰り返す。

国内世論の反撥を抑え、制裁条件を緩和するのが彼らの狙いで、今回の場合も、政府決定の背後に、彼らの影が潜んでいる気配を感じる。


北朝鮮の利権に絡まず、彼らとの交渉を進めようとする政治家の狙いは、ずばり 「 人気取り 」 が目当てで、かの 小泉 純一郎 氏 も例外ではない。

2002年1月29日、小泉 首相 は 田中 真紀子 外相 を解任したが、この結果、79% だった 内閣支持率は、49% にまで激減した。

もちろん、小泉 氏 が勇気を持って 「 拉致問題 」 の解決に臨んだ事実は否めないが、支持率の急落なくして、2002年9月の電撃訪朝はなかった。

小泉 氏 の後を受けた 安倍 総理 は、唯一、利権でも、人気取りでもなく、拉致問題を真摯に捉えた人物だったが、あまりにも “ 能力 ” が低すぎた。

現職の 福田 総理 には、北朝鮮に絡む 「 利権 」 の噂もないが、命がけで拉致を解決する 「 情熱 」 も感じられず、「 人気取り 」 の線が濃厚だ。


北朝鮮のような貧しい国に 「 日本の政治家として、何の利権があるのか 」 ご存じない方も多いと思うが、実は、かなり 「 オイシイ話 」 が潜んでいる。

国交正常化が実現すると、一兆円を超える 「 経済協力資金 」 が発生する仕組みだが、この経済協力資金は、現金を北朝鮮に渡すわけではない。

道路や港湾、ダムなどの 「 社会資本プロジェクト 」 に使われる予定だが、こうしたプロジェクトを請け負うのは、日本の建設会社、商社が中心だ。

拉致問題に関心など無いのに、暇があれば北朝鮮へ行こうとする政治家は、このプロジェクトの配分に関わっており、権限の掌握を狙っている。

かつて 小泉 氏 が 「 拉致問題の解決なくして、国交正常化なし 」 と声高に叫んだのは、「 拉致よりも正常化が先だ 」 と主張する利権組への牽制だ。


支持率の急落に嘆く 福田 総理 が、形勢逆転を企図して 「 人気取り 」 のため、北朝鮮との折衝に注力すること自体は、さしたる問題もない。

しかし、まだ何の成果も得られていないのに、経済制裁を緩めたり、正常化に向けて動くのは、かえって国民の反感を買う結果につながるだろう。

事実、私も 「 馬鹿か 」 と感じたし、拉致被害者の家族会からも、どちらかというと、あまり好ましくない感想が漏れ聴こえているようだ。

あるいは、国民に対する 「 人気取り 」 ではなく、利権組へのご機嫌を窺う 「 人気取り 」 の可能性もあり、ここは要注意である。

こういうときにこそ、野党は全力を挙げて反対の姿勢を示すべきなのだが、肝心の野党幹部に 「 利権狙いの親玉 」 が存在し、阻止するのは難しい。






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