2008年06月18日(水) |
安倍 前首相 : 「 山崎 拓 は百害あって利権あり 」 発言 |
「 この世で何が悲しいといって、自分がいろいろの事を知りながら、
無力なためにそれをどうにもできぬ事ほど、悲しいことはない 」
ヘロドトス ( ギリシャの歴史家 )
Tis the sorest of all human ills, to abound in knowledge and yet have no power over action.
Herodotus
知識は、意義のある行動に活かしてこそ、初めて、その価値が生じる。
行動の伴わない知識は、無益な 「 粗大ゴミ 」 にすぎない。
政治家の多くは、行動に移すことで価値の生じる 「 知識 」 や 「 情報 」 を持っているが、それを、国民の利益に繋ごうとする者は少ない。
たまに、行動的な政治家がいても、私利、私欲のため、己の野望のために東奔西走している者が大半で、何らかの 「 裏 」 があるようだ。
もちろん、自己犠牲の精神を以って、国益に奉仕する気概を持つ政治家もいるが、えてして、そういう人は、権力を行使できる立場にない。
仮に何かの偶然で、権力の中枢に立ったとしても、利己的な欲得に溺れた海千山千の 「 狡猾漢 」 と互角に渡り合えず、すぐに立場を追われる。
崇高な志があったとしても、政治の世界においては 「 無力 = 悪 」 であり、統率力、行動力を擁しながら、善行に身を捧げる者の数は皆無に近い。
自民党 の 安倍 晋三 前首相は、「 日朝国交正常化推進議員連盟 」 らが北朝鮮への制裁解除を主張していることについて、都内で反論した。
この 「 連盟 」 は、北朝鮮に絡んだ利権を持つことで知られる 山崎 拓 が会長を務める組織で、ことあるごとに、北朝鮮との対話政策を推している。
安倍 氏 は、「 国会議員が、交渉を行う政府よりも甘いことを言うようでは、政府の外交能力を大きく損ない “ 百害あって一利なし ” だ 」 と批判した。
その発言を受け、山崎 拓 が 「 幼稚な考え 」 と答えたのに対し、今度は 「 百害あって利権あり 」 と、公式な場で “ 利権の存在 ” に言及した。
古くは 金丸 信 ( 故人 ) の時代から、タブー とされてきた 「 北朝鮮利権 」 の存在について、一石を投じた 安倍 氏 の勇気を評価したい。
もともと 安倍 氏 は、北朝鮮問題、特に 「 拉致問題 」 に関しては、多大な関心と情熱を持っていたが、総理時代に、解決の糸口を見出せなかった。
総理大臣の仕事とは、北朝鮮問題だけを扱うものでなく、国政全般に亘る総合的な資質を求められるが、その点で 安倍 氏 は 「 力不足 」 だった。
今にして思えば、在職中に “ 拉致問題だけでも ” 職を賭して強硬に進めてくれたなら、世論の評価は違っていたような気がする。
そんな 「 過去の人 」 であった 安倍 氏 だが、今回、山崎 拓 と対峙して、利権組を牽制したことで、遺恨を拭い、意地と心意気を通した形だ。
超党派で結成する 「 日朝国交正常化推進議員連盟 」 の胡散臭さ、下手な譲歩で拉致解決が遅れることを知らしめた 安倍 氏 の功績は大きい。
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