2008年06月22日(日) |
「 風刺 」 の意味も知らない朝日新聞 |
「 新聞の中で、唯一、信頼に足る真実を含む箇所は、広告である 」
トーマス・ジェファーソン ( アメリカ合衆国第3代大統領 )
Advertisements contain the only truths to be relied on in a newspaper.
Thomas Jefferson
携帯電話が無いと、ただの一日でも “ 不安でたまらない ” 人がいる。
そんな人には、「 無くても死にませんよ 」 と、慰めてあげることにしている。
時代と共に、人々の必需品は変遷するもので、「 情報を入手するツール 」 についても、古くは新聞から、ラジオ、テレビ、ネットへと移り変わった。
もちろん、テレビやネットを利用する人も、新聞やラジオを併用するけれど、新しい利器が開発される毎に、古い道具は、その価値を減少させていく。
世代交代の波を逃れて、古い道具が生き残るためには、新たな活用法を生み出して浸透させるか、「 伝統的な価値 」 を再認識させる必要がある。
もちろん、作り手側が勝手に 「 伝統的な価値 」 だと思い込んでるだけで、一切、利用者側が評価しないモノは、何の役にも立たない。
そのあたりが、「 わかっているようで、わかっていない 」 ことも多く、怠惰な試行錯誤を重ねながら、いつしか衰退の運命を辿るのが世の常である。
朝日新聞は、18日付夕刊の 『 素粒子 』 欄で 鳩山 法相 に触れ 「 二カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神 」 などと記載した。
もちろん、死刑囚は 「 死に神 」 に連れ去られたのではなく、刑法の規定に基づいた 鳩山 法相 の指示に従い、刑務官により死刑が執行されている。
この記事に対して、鳩山 法相 は 「 私に対する侮辱は一向に構わないが、執行された人への侮辱でもあると思う 」 と、同新聞社への怒りを露にした。
記事掲載後、朝日新聞には 約1800件 の抗議や意見が寄せられたが、大半は 「 法相は職務を全うしているだけ 」、「 ふざけすぎ 」 という内容だ。
朝日新聞社広報部は抗議数を回答したが、「 特にコメントはありません 」 と、今日まで明確な回答を避け、公式な謝罪は行われていない。
21日夕刊の素粒子では、抗議が千件を超えて寄せられたことを明かした上で、「 死刑執行の数の多さをチクリと刺したつもりです 」 と説明している。
また、「 風刺コラムはつくづく難しいと思う 」 とし、「 法相らを中傷する意図はない 」、「 表現の方法や技量をもっと磨かねば 」 と文章を繋いだ。
死刑執行数が多い理由は、「 死刑に相当する罪を犯した者が多い 」 からであって、何の罪もない人々を次々と処刑しているわけではない。
それに、風刺コラムを難しいと認識し、表現方法の稚拙さや、技量の不足を感じているのなら、二度と 「 風刺コラム 」 など書くべきではないだろう。
湾曲に 「 お詫び 」 や 「 反省 」 を記したつもりかもしれないが、これでは 「 プロの抗弁 」 にならず、「 素人の言い訳 」 としか受け取れない。
戦時中、国民を欺いて扇動したように、「 新聞も間違いを犯す 」 可能性はあり、けして 「 絶対的な良心 」 でないことは、もちろん承知している。
ただ、表現方法や技量の未熟さで、多数の国民に 「 不快感 」 を与えるような低レベルの失態は、あまり過去に類をみなかったと思う。
元来、風刺とは 「 社会の欠陥や、罪悪を遠まわしに批判すること 」 であるはずだが、その言葉の意味すら知らないとは、素人以下のお粗末さだ。
まして、日本国憲法を 「 原理主義的 」 に信奉し、イラクへの自衛隊派遣を 「 違憲、違法 」 と騒ぎ立てたくせに、法令順守を批判するとは何事か。
新聞購読者数の減少を、「 時代の潮流 」 とか 「 文化レベルの低下 」 だと勘違いしている記者も多いと聞くが、彼らには、猛省が必要なようである。
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