Tonight 今夜の気分
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2008年06月24日(火) 飛騨牛偽装 : 主犯と共犯者



「 一部の人たちを常に、あるいは、すべての人たちを一時的に騙す

  ことはできるが、すべての人たちを常に騙すことはできない 」

         エイブラハム・リンカーン ( アメリカ合衆国第16代大統領 )

You can fool some of the people all the time and all the people some of the time, but you can't fool all the people all the time.

                                Abraham Lincoln



誰でも、「 嘘つきは泥棒の始まり 」 だと、戒められた経験があるだろう。

だが、「 生涯で一度も嘘をついたことがない人 」 など、いるのだろうか。


欧米に比べて、日本人男性は 『 愛してる 』 と囁く機会が少ないというが、視点を変えると、これは 「 正直者が多い 」 ことの証明かもしれない。

ただ、女性にとっては、たとえそれが “ 嘘 ” だとしても、「 愛してる 」 とか、「 素敵だ 」 とか、「 離さないよ 」 と、囁いて欲しい時があるようだ。

もちろん、結婚詐欺のように、恋愛関係を偽装して金品を奪取する目論見の嘘は許されないが、普通の恋愛において、多少の嘘は看過される。

むしろ、正直に徹するあまり、「 君のことが好きだとは思うが、愛してるかというと、100%の自信は無い 」 など言っておれば、恋愛が先に進まない。

恋愛に嘘はつきものだが、最近、お腹が痛い理由は 「 嘘ついたら針千本飲ます 」 と約束し、胃が “ 剣山 ” のようになっているからだろうか。


ビジネスの世界で、法に触れる嘘とは、原則として 「 契約 」 が履行されなかったり、その実態が、当初の条件に反する場合などが考えられる。

岐阜県養老町の食肉販売会社 『 丸明 ( まるあき ) 』 は、ブランド和牛の 『 飛騨牛 』 を偽装表示していた問題で、世間を騒がせている。

24日、吉田 明一 社長 は、農林水産省と岐阜県の聞き取り調査に対し、格下の肉を混ぜて販売するよう、従業員に指示したことを認めた。

ただし、愛知県産の牛肉を岐阜県産と偽ったとされる “ 産地偽装問題 ” については関与を認めず、この点が従業員の証言と食い違っている。

断定はできないが、従業員が自発的に偽装する 「 動機 」 は思い当たらないため、経営者側の主張に疑問を感じている人が多いだろう。


不二家、赤福餅、船場吉兆など、一連の 「 食品偽装問題 」 が発覚したことで、従来の悪習を反省し、襟を正した企業も多いと聞いている。

本気で改心しなくても、「 全従業員の口に “ 蓋 ” はできぬ 」 ことぐらいは、よほどの馬鹿でなければ理解できたはずである。

この事件では、社長と従業員が “ 口汚く罵り合う姿 ” まで報道されたが、偽装ブームに便乗して告発するまで、黙っていた従業員もどうかと思う。

経営者が主犯なら、従業員は共犯、被害者は消費者であるという認識を、告発した従業員の方々も、けして忘れないでいて欲しいものだ。

いづれにせよ、詐欺や犯罪の類は 「 共犯者が多いほど、発覚しやすい 」 ものであり、その規模が大きくなるほど、隠し通すことは難しいのである。






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